(む}SCRAP-BOKU

Date: Mon, 27 Nov 2000

あんまり広くない私の部屋の、貴重な空間のうち1平方メートルくらいをチューブファイルが占拠している。中には、A4用紙に新聞記事を貼ったやつがファイルされている。

いわゆるスクラップブックというやつだ。でも、ほとんど見返さない。それでは単なる保存ゴミではないか。というか、今の部屋に越してきて以来、新聞を取っていない。何度か勧誘の方は来られたことがあるが、ざっくりと

ざっくり、ってなんかショベルカーな(意味不明)っていうか袈裟懸けな、語感と思うのは、私だけか。でも、ざっくりとした生地の服っても、別にパンクな服装じゃないだろし、坊主の服でもない

なら、新聞社さんのWebでも見てれば分かるし、テレビの受像機は無くても、ビデオとHMD

HMD:ヘッドマウントディスプレイ。メガネみたいにしてかけて、仮想的に目の前に大画面があるかの錯覚をするための装置。でも、なんだか、せせこましい。でも、大型テレビは、場所取るし、部屋の主が、俺じゃなくてテレビ様になるし、テレビだと、なんだか、バックグラウンド的に映像・音声が流れるけど、HMDだと、わざわざ見るというか、入りこむというか、ダイブというか、積極というか、なんだかなんだな。定員1名なのがなんだな。

で、ニュースを見ることも時にはある。別に、ニュースは見ても見なくても、世の中の大概の事件は、私の暮らしに直接影響を与えることはない。

なにやら契約更新の書類が送りつけられてきたところを見ると、今の部屋に暮らしはじめて2年ということだ。契約更改に伴い、家賃は1000円値上がりするし、更新料と称して一ヵ月分の家賃相当の費用がかかる。別途に更新事務手数料とか、なんでか更新の時にも敷金2000円也ってのが入ってるのが謎だ。

業者さんの説明によると、大家さんの要望で一ヶ月分の家賃を1000円引き上げます。それに伴い、更新料と、敷金にもその値上がり分で乗っかってるとのこと。敷金は2ヵ月分?預かりなので、2000円差額分預かりなんだそうだ。更新料はなんで一ヶ月分なのか? じゃぁ1年更新の方が2年更新より大家さんにはお徳ではないか。敷金はどうせ預かりなんだし、出るとき足らなければ、その時請求してもいいじゃないか(ってベラボウな値段になったら困るか)。

あらためて、居住費って、暮らしに必須のわりには高いな。おまけに謎だな。と思う。最近いくらか痩せてきたけど、太っ腹な私は、文句も言わずに、払おうと思っている(と、ここで文句を言っているのは気のせいである)。

というわけで、妙に前置きが長かったが、その貴重な1平方メートルを占拠している、スクラップブックの中身は、少なくとも2年以上前の古いニュースなのだ(全然、NEWSじゃないやん)。機会をみて古紙回収に出そうかと思ってみたりしつつ、中身読み返し始めたらまた捨てなくなっちゃうのだろうな。なんて思う。かつては一度は読んだのだから、私の中で一回はリサイクル済みである。

私のホームページのネタは、かれこれ4年分になろうとしている。パソコンのハードディスクを増設したりはしていないので、物理的空間を浸食されたりはしていない。A4ファイルサイズ

この表記がなかなか曲者で、A4用紙は210mmX297mmだが、私のPCの場合、250mmX300mmくらいはある。それにしても、薄型ノートPCで、「薄さ○○mm」ってのは、いかがなものかと思う。「厚さ○○mmの薄型」ならまだ分かる。どうせ言いたいなら cm 表記にした方が、数字も小さくなって良いのではないか。なんかアホらしいが、インチ表記にすると、さらに数字は小さくなるが、そういうのを一般に、インチ機と言う(嘘)。

なのでおよそ0.1平方メートルを使っているだけである。

物理的に増殖している(していた)A4ファイルは、私に「捨ててしまおうか」という思いを抱かせる。仮想空間に増殖しているA4ファイルPCの中身は、とりあえず置いておこうと思わせる。心の澱はどんどん溜まって、そのうち致命的な疾患になるかもしれない。とちょっと思う。けど、自分の中に抱えずに仮置きのまま恒久的にネットに放置されてる私の思いは、思っているより、思いの他にあり、あとから見て「あら、こんなこと書いてる。」と思うこともある。

過去はどんどん蓄積されていくが、遠くのそれはもう霞んで良く見えない。時々、しましまの虎と馬の大群になって襲ってくる。「しましま」が「ほほ」になるのは何のCMだったっけか。思い出せないや。未来はどんどん消費されていくが、あとどれだけ残っているか見えない。限りがあることだけは分かっている。

199X年に人類が滅ぶことはなかったし、あと一ヵ月くらいしたら、21世紀が来るのだけど、それは別に輝かしい未来でなくて、ちらつく蛍光灯に照らされた日常であるわけで。東京の芝浦の電気屋さんも今となっては光ったり回ったりしないだろうし。

1000mmX2000mmの万年床(って昨日、干したから、実は一日床。んん熟成が足りませんな。)の上で、スクラップブックと添い寝している、2平方メートルを占拠しているスクラップボク。

---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------
当時の本 『良寛にまなぶ「無い」のゆたかさ』中野孝次(小学館月刊総合文庫,476円+税)無一物って、どんなんだろうね。
当時の世 キムタク、工藤静香結婚するそうだ。電車の中吊り広告で、工藤静香ディナーショーっての見て、三万いくらは高いなぁ。祝儀かなぁ。と思った。行かないけど。
当時の私 すこし、くたびれている。「くたびれる」って、なんか語感がとても、くたびれた感じが出てる気がする。だからその昔、「つかれた」って言うより「ちかれたびー」ってのがくたびれ感があったのだと思う。「でかびたしー」って、だから元気出るより疲れると思う。

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