April foolish skyDate: Mon, 2 Apr 2001
三月末日は、桜が満開だというのに、雪が降っていた。桜の花びらと一緒に、雪がチラチラ降る光景は、どことなく、シュールだけど、リアルな出来事だった。写真に収めたかったところだが、あいにく、私のデジカメは、かれこれ3週間、修理から戻ってきていない。 近所の公園が、花見用に提灯かざりがされてスタンバっていても、さすがに、真冬なみの寒さに、花見兼雪見酒の宴を催す人はいないようだった。私は部屋で籠城するために、買い込んだコンビニ袋が、かじかむ手に食い込んで、指先が青紫色になっていた。これで、家が遠ければ凍傷である。 明けて、四月初日は、嘘みたいな青空が広がっていた。エイプリルフールなだけに、嘘だったのかもしれないが、ほっぺたをつねってみて確認はとらなかった。近頃どうも現実味のある夢を見てしまって、昼間起きて、ちゃんと活動してるかと思いきや、実は、布団の上でまどろんでいる。なんてことがあるから気をつけねばなるまい。平日にそれをやると、しっかり遅刻である。夢の中でなにか名案を思いついていたはずだが、それも忘れてしまってるのだからもったいない。これからは、忘れないうちにメモれるように、枕下にメモ帳を置いておこう。 せっかくなので、お昼は、お花見会場に出ている屋台で調達しようと、のこのこと出掛ける。タコ焼き屋さんのタコは、いまだ解凍途中という感じで、氷の塊と化していた。幸い出来上がった製品にはちゃんと火が通っていた。隣にイカ焼き屋さんもあったが、大阪でいうイカ焼きではなくて、姿焼きというか、俺に言わせれば、それは、焼きイカであった。 タコ焼き屋や、お好み焼き屋の屋台の看板には「大阪名物」と肩書きされているが、ついぞ、イカ焼きでそういうのは見たことがない。まぁ、粉ものばかり並んでもなぁ。ってところかもしれない。 休みの日に、昼間から飲んでしまう というのは、アルコール依存症のスクリーニングテストで出てくる項目である。でもまぁ、お花見だしな。と場の雰囲気に飲まれた振りをして、調達した缶ビールをシュカッと開ける。だけど、やはり、昼間っから飲むのはどこか後ろめたげで、それがまた、いい感じに悪く、悪い感じにいい。 部屋でガブ飲みして、そのまま寝入ってしまうよりは、宴会なんかで陽気に飲んだ方がよかろう。と言っても、別に本日の私は、誰かと連れだってるわけでなし、シートで場所取りして宴会開催してるわけでなし、余所様の陽気な宴の様子をながめつつ、春の陽気にあてられながら、歩きながら飲んでる。 公園の周りを回りながら、自動販売機や屋台をはしごしているうちに、結構回ってきたので、まっすぐ歩けるうちに帰ることにした。たっぷりおなかに入ったので、晩飯はなくてもいいかな。と思った。 ---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------ シュールレアリスム【(フ) surrealisme】で、実際に起きてる現実を「嘘みたい」って形容するのは、シュールでなくて、現実逃避かもしれんね。でも、当人にはシュールだったりして、現実と現実感はつねにギャップがあるのだろうなぁ。夢や幻想など非合理な潜在意識界の表現により,人間の全的解放をめざす 20 世紀の芸術運動。1924 年発刊されたブルトンの「シュールレアリスム宣言」に始まる。画家のダリ・キリコ・エルンスト,詩人のアラゴン・エリュアール・滝口修造らが有名。超現実主義。 |