Date: Thu, 6 May 1999
「放射線浴びるのが、ヤダ〜」とレントゲン撮影を拒否しようかと思ってみたりしたけれど、これは既に先輩が過去に使ったネタらしいので、ネタがかぶるのもなんなんで使わないことにした。
しかしまぁ、アニメや特撮をハシゴするように、テレビにかじりついて子供時代を過ごした私のような人にとって、「放射能を浴びる」ってのは
くらい大変な事態なんである。
もっとも、どっちかというとあまり背の高い方ではない私は、ちょっとくらいなら巨大化(変な日本語だ)してもいいかな。と思ってたりする。
去年は今より髪が長かったので、ナイトキャップのようなものを被らされてトホホな格好で撮影した。髪の毛というのは体組織の中でも結構硬い方らしいのでレントゲン撮影だと怪しい陰になって映ってしまうのかもしれない。ん?じゃぁ頭のレントゲン撮影ってのはどうなのだろうか。
その年は、ほんとに面倒くさかったので、なかなか受診しに行かなかったら、健康管理室から、あおりの電話がかかって来て、仕方がないから、受けに行ったら受付で「お給料をもらおうと思ったら、ちゃんと受けなきゃいけないのよぉ。法律で決まってるのよ」と諭されてしまった。
もすこしお子様の頃の私なら「法律をたてに説教めいたこと言いやがって」と受診断固拒否のかたくな態度を取るところであるが、その辺り成長しているので心で思っても行動は起こさない(心で思うだけでも大人げないのかもしれん)
さて、本年もそのシーズンがやってきて、今年はほんとに体調不良なので、「健康診断とやらで診断して頂こう」となにやら意味不明の強気で受けることにした。でも、あいにく、自分の部署の日は出張していたので、予備の日に受けに行ったのである。
私は「お医者さんに体調不良の太鼓判をもらおう」(不良の太鼓判ってのも妙な話だ)と思っていたのであるが、 先輩曰く「会社が「無理させず働いてもらってます」という証明をするための健康診断なんだから、そんな悪い結果でるわけないじゃん」なんだか自動車の車検のようである。事前に修理して通るのを前提にしなけりゃなんないようだ。
いざ受けてみると、身体測定の所で、やおら担当の人が別の紙を取り出して記入しはじめた。「なんだ?」と思ったら、「ちょっと体重の増えてるのが多いんで、血液検査もしますね」と言われた。思えば、この1年で5キロ以上増えている。
それにしても、暇な時間に受診しに行ってしまったらしく、会場になっている会議室に入ると、各測定ポイントの担当の方々が「いらっしゃいませ」とばかりに一斉に入口にいる私の方を向くではないかっ!自称人見知りの私は、それだけでドキドキするのに、血圧測定の担当の方が女の人だったものだから、自称女の人怖い病の私はさらにドキドキするのであった。
「ちょっと血圧が高いようなので、もう一度計りますね。」
さて、問診コーナー。部屋に入ると、またしても、「いらっしゃい」とばかりにこちらを見ている妙齢のおばあさん先生と目が合ってしまった。上着を脱いで、聴診器を当てられるとなんだかドキドキした。問診表を見ながら「あら、下痢気味なのは、お酒の飲み過ぎと関係あるのね。」「はぁ、確かにそう言いますなぁ」「体のだるさはねぇ。朝御飯ちゃんと食べないからだわよ」と一通り掛け合いをやったあと退場した。
最期はいよいよ血液検査。と言ってもすぐに結果が出るわけじゃないから採血のみ。親指を中に入れて何度も握ってみても、血管が浮かんでこない。やはり太ったのか。すぐ横でローラーのような装置で回されている、前の人の血の入ったシリンダーと、自分のとの色の違いが気になる。前日にしこたま酒を飲んだのでアルコールやらアルデヒドやら出てくるんじゃないかなぁと気になる。肝臓君を酷使しているからγなんたらいう数値が高くなるのじゃなかろうかと気になる。
渡されたアルコール綿を針のあとに押さえつけて、しばし待っていると、どこかの誰かが診断を受けに入って来た。各測定ポイントを移動するごとにフラフラとふらついたり、深いため息をついている。「私、不調です。」と全身で訴えている。担当の方々も笑うところじゃないのだろうが、苦笑している。
「ああ、こんな人が来るようじゃ、ぼくは今年もAランクの健康優良児になってしまうのだろうな。」と思いながら、アルコール綿を握りしめながら、仕事に戻るのであった。
---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------
当時の本 『怪獣王』唐沢なをき(ぶんか社, 1400円)よく居酒屋なんかで一部グル−プで内輪でオタクな話で盛り上がってる人がいるが、そんな感じ。
当時の世 金色の週間であったらしい。
当時の私 休日出勤予定をさぼって、新宿に行ってみた。なんか違う文化の国に来た気がして、足早に歩き回ったのち退散した。