川沿い(と言っても、自然な川ではなく、かと言って、土手や河川敷があるわけでもなく、コンクリの水路に囲まれた極めて人為的ドブ川なんだけど)に歩いてみる。その気で入る人がなければ、そんなところに柵は必要なかろうと言いたい所にも柵がある。
柵が先にできたのか、木が先に生えてたのか。そんなことは、最近この町に住むようになった私は知らない。
柵の合間から、まるで
「出してくれ〜」
と言わんばかりに木が生い茂っている。
出してくれ〜とばかりに、柵に首を、もとい、枝を突っ込めば、突っ込むほど、柵との関係が複雑になることに、おそらく、当人は気づいていない。
1998/3/8 横浜市青葉区
出してくれ〜と騒がずに、
「ま、長い付き合いになりそうだし、ゆっくりやりましょうや。」
とばかりに柵を食べ始める木もいたりする。
「食事中の写真なんか撮らないでください。野暮だなぁ」
と言われてる気もしたけど、
失礼を承知でシャッターを切った。
1998/3/8 横浜市青葉区
「出せ〜出せ〜」
と言う方があるかと思うと、
「もう俺は出ないからね。」
としがみつく人、もとい、木もいるらしい。
どうやら、こいつの側は、人が手入れしている様子があるので、だとすると、日常的に人が出入りする以上、転落防止の柵は必要なのかしらと思ったりする。
1998/3/8 横浜市青葉区
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