(む}Super Seat Returns

Date: Mon, 5 Jan 2004

今回も優待券をいただいたので、懲りずにスーパーシートに乗るMucciでした。優待割引ってのは、スーパーシート代(羽田-伊丹だと4200円らしい)には適用されません(ということで都合19,900円也(時価))。しかしどうも、やはり、しっくり来ないなぁ。やはり、自分がほんとに株主にならないと、なじまないのかもしれません。

年末の空港は混雑してるに違いないと、少し余裕を見て出かけたのですが、大晦日の羽田は、ずいぶんと空いていました。持ち物検査の入り口も、なんでそんなにたくさん入り口があるの。って感じ。とっとと入って、搭乗口の所のベンチに座って本を読みながら、搭乗案内を待っていました。

さて、乗り込みます。今回も機首の内側の小部屋なんでしょうか。と思っていると、やや小ぶりなB777のスーパーシートは、先頭の何列かが壁で仕切られて、通路にカーテンがかかって普通の席と分けられているだけでした。今回はその中でも一番後ろの席。カーテンの向こうに普通の席が見えます。大晦日の晩の飛行機は比較的空いていたらしく。そういえば、空港でも、どの便も『空席あり』"VACANT"の表示でした。ゆったりしたスーパーシートの座席で、となりに誰もいない窓側の席で私はゆるゆるしていました。

空いている空港の滑走路はやや混んでいたらしく、誘導路で結構待ちました。機長が「お急ぎのところ、恐れ入ります。当機は、6機の離陸待ちです。」って、電車なら、車掌がいうのに、運転士いや、操縦士さんが言うのね。そうして離陸して、十数分して、お食事タイムであります。昨年は一番前の席だったので、一番初めにサーブされたのだけれど、今回は一番後ろであります。スッチーさんが、じわじわと近づいてくる。私は本を読みつつ、(慣れてるから、落ち着いて待ってるんだものねぇ〜)と装いつつ、(う、間が持たん)と思っていました。

前回の轍を踏まぬように、シートベルトをはずして、すこし座りなおして待つ私。やはり、ちゃっちいとは言え、スーパーシートのディナー(ではない)である。ベルトを締めたままいただくのでは、なんだかねぇ。 小さいお弁当箱に、オムライスがカットされたごはんに、野菜のサラダ。キノコのソテーにジャガイモをカットして揚げたもの、ミートボールが1個ころり。デザートにチョコエクレアがついてました。

今回、優待券を提供いただいた先輩からのお題は

「飛行機に積んでるビールを全部飲んでくること」

でありました。

「お飲み物は・・・・」

平静を装っておいて、何を言われているか良く聞き取れてない私は、「え〜と、ビールって何がありますか?」と、かろうじて聞く。「アサヒ、サッポロ、モルツのプレミアム、エビス、オリオンビールがございます。」「じゃぁ、モルツください。」

モルツがくるまでの間、食事。なんだかオムライスが冷たく固まったオムスビのようで少し悲しい。そういや、コンビニのオムスビにも、オムライスあるよな。

悲しい時〜
コンビニで弁当買ったら『あたためますか?』って聞いてもらえなかった時〜

あまりに受動的である。今年は自分から「温めてください。お箸はいりません。」くらいは言えるようになりたい。

半分くらい平らげたところ(平らげるというのは全部食べるということではないのか?)で、モルツプレミアムが来た。問題はデザートのエクレアである。この甘さとビールの苦さはなんだか組み合わせが悪い気がする。

ただでさえ、私は、株主でもないのに優待券を使っている偽物である。
ましてや、女の人と会話するのが苦手なので、スッチーさんと二言三言の業務上会話をしているだけで緊張している奴である。
そして、ここは、自室ではなく、他のお客様もいるのである。
さらに、飛行機は微妙に揺れている。
一口、モルツを口に含む私。(あんまり、おいしくない。なにが、プレミアムなのか。) 一応、プラスチック製のタンブラーに缶から手酌で飲む。普段、缶から直なので、もう、この注ぐという行為が私には不自然である。

あんまりおいしくない。なんて思いつつ、ビール好きだからなんだか飲み終わってしまうのである。

スッチーさんが再び迫ってくる。

「なにか、他のお飲物お持ちしましょうか。」
「え、え〜と、ビールください。」
「同じもので、よろしいですか?」
「え、じゃぁ、ヱビス、ください。」

なんのことはない。ちょっと贅沢気分だったのである。

ヱビスと共に、おつまみパックが差し出された。あられとナッツが入っている。ポリポリかじりつつ、ヱビスを飲む。贅沢というよりショボい。(なんだか悪酔いしそうだ。)俺様ともあろうものが、350ml缶2本ごときで、クラクラしている。

スッチーさんが、またしても迫ってくる。

「他のお飲物お持ちしましょうか。」
「いえ、結構です。」

全然、機内のビールを制覇していないが、もうギブアップであった。

あかん、リクライニング倒して、フットレスト出して、ちょっとゆったりしよう。と思った矢先、

「当機は、まもなく着陸体制に入ります。」

もう、せわしないなぁ。リクライニングを起こして、フットレストを戻す私。所詮、羽田−伊丹ではシートベルト着用サインが消えているのは、30分あるんだかないんだかなのである。

窓からの夜景がきれいだった。これ、どれだけ電気代かかってるのだろうなぁ。なんてぼんやりと思う。これでは、私は電車の1両目に乗って前見て喜んでいる子供みたいではないか。スーパーシートの値段より、通路側と窓側の格差の方が大きいのではないか。ま、普通の席だとビールとつまみで500円くらいするらしいしな。と、たった2杯と軽食のために5000円(細かく言うと4200円らしい)余計に払っていることには無頓着な私なのである。

実家に着いて、御馳走で迎えられたが、私はもう、いっぱいいっぱいであった。

---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------
当時の本 『古武術で蘇えるカラダ』監修 甲野善紀(宝島社、本体1000円+税)身体の捌き方ということで言えば、確かに、現代は身体をもてあましている。
当時の世 アメリカのBSE問題で、吉野家で特盛の販売が停止されてるらしい。
当時の私 あんまりSPAMが多いので、POPFileというフィルターソフトを導入してみた。

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BSE:牛海綿状脳症(Bovine Spongi-form Encephalopathy)
SPAM:豚肉の缶詰の商標名でもあるらしいのですが、いわゆる無差別に送信されるダイレクトメールのこと。