(む}Held with a Super Sheet

Date: Mon, 6 Jan 2003

なにが、めでたいのかさっぱり分かりませんが、2003年を迎えることができました。Mucciです。あけおめ〜って略せばいいってもんやないっちゅうねん。めでたさは分かりませんが、ことよろ〜。いつもより余計に書いております。長いです。

さて、今回の帰省では、職場の先輩のT澤さんのご好意で、JALの株主優待券をいただいたので、飛行機で帰ることにしたのであります。ただ、T澤さんからは、

  1. スーパーシートに乗って感想をレポートすること。
  2. 飛行機に積んでるビールを飲み干してくること。

という、お題を与えられたのでした。

羽田−伊丹間は小一時間くらいのフライトですが、空港まで行く時間と、手続きとか、着いてから家までの時間なんか含めると、プラス1時間半くらいでしょうか。新幹線で帰るにしても、新横浜まで一時間、そこから2時間ちょいくらいは掛かるので、やや早いと言えましょう。

根が貧乏性の私は、スーパーシートと聞いただけで、たじろぐのでありました。この頃は、そういう呼称は少なくなりましたが、シルバーシートは銀色でないことや、グリーン車が緑色してないことは知っていますが、果して、スーパーなシートとは、いかなるものか?

とりあえず、チケット買わないとな。と、近くの旅行会社にのこのこと出掛けていくと、

「通常運賃分は半額とさせて頂きますが、スーパーシート料金は、優待割引対象外になります。」

ここで、偽株主&貧乏性の私は、一瞬うろたえるのでありましたが、頭の中で(のぞみに乗って帰っても1万4千円くらいしたと思うから、どっこいどっこいかな。)などと、大雑把な計算をしつつ支払うのでした。

そして当日、羽田空港に到着した私は、人と対応するのが苦手なので、そそくさと自動チェックイン機に並んで、手続きを済まし、(そういや、専用ラウンジとかいうのが使えるのであったな。)と一瞬思ったのだけど、「ラウンジ」という単語になんだか気後れして、入口まで行っても、入れず、(ま、たしか、食事時のフライトだと、機内でも食事出るらしいしな。)と声に出ない負け惜しみをしつつ、黙々と、搭乗口に向かうのでした。

なにやら飛行機の到着が遅れているとかで、時刻が近づくのに搭乗案内が始まりませんでした。それにしても、席は決まっているというのに、なんでみんな、改札機?の前に並んで待ってるのだろう?と、ぼんやりと見ていました。

やっと搭乗案内が始まりました。(81D、81D)と無言でひとりごちながら、案内板に従って、ずんずん進むと、おお、私の席は、一番前ではないですか。と言っても、電車の先頭車両で、『電車でGO!』気分みたく、前が見えるわけではありませんし、晩の漆黒の空を見たところで楽しくもありません。なんだか「ここの向こうは機首ですよ。」と、ばかりに先細り形状の壁が私に閉塞感を与えます。前のモニターには、機体につけたカメラの映像らしきものが映っていましたが、外は暗いので、誘導路の明かりが見えているだけでした。

客室乗務員の人が、上着を預かってくれるようなことを言ってましたが、やはり、なんだか貧乏性の私は「いえ、自分で持ってます。」と懐に上着を丸めて抱え込むのでした。「ま、膝に掛けてればいいや。」と席に目をやると、そこには既に、毛布が置かれているのでした。これがスーパーか。

たしか、荷物は上の棚か、前の席の下に入れるようなことを言ってた気がするが、私の席は先頭だ。前の席がないではないか。などと思っていると、どうやら前の壁はクロークというか、ロッカーになっていて、上着や手荷物は、そこで預かってくれるようでした。

少しすると、客室乗務員のチーフらしい方が、ごあいさつに来られました。ほう、こういう待遇もスーパーシート代の中入っているのか、私は辛うじて目を会わせて曖昧な笑顔で会釈しました。

いよいよ離陸です。飛行機が滑走路で加速します。斜め後ろでは赤ちゃんが、「あ゛ぁ〜 あ゛ぁ〜」と泣いています。赤ちゃんは泣くのが仕事です。年末も休まず、お仕事ご苦労さまです。そういや、年末年始に実家でテレビを見ていて、やたらと「首の座ってない赤ちゃんを座らせないでください」っていうコピーで、裸のお母さんが裸の赤ちゃんを胸に抱いている映像が流れるチャイルドシートやベビーカーのCMを見ました。(お母さんの肌、白いから静脈が透けてるなぁ。)(座ってないのを座らすなって言い回しも、字面だけ追うと、妙だなぁ。)などと思いながら、ぼんやり見てました。

そうこうしているうちに、飛行機の機首が持ち上がります。その時!

パカッ!?

とばかりに、私の目の前のロッカーの扉が開いたではないですか。飛行機はどんどん加速します。ロッカーの中の荷物は慣性の法則に従って、ジリジリと迫ってきます。離陸した飛行機は、さらに機首を持ち上げて、加速します。(ヤバイ、この荷物、俺のところに落ちてくるのか?見た目、軽そうだが、こっちはシートベルトしてるから逃げられないぞ。まずい。)

しばしの緊張の対峙が続く中、ポーンという音とともにシートベルト着用のランプが消えました。なんとか、荷物は落ちてきませんでした。乗務員の人が来て、「たいへん失礼いたしました。」と言いながら、ロッカーの扉を閉めなおしていました。

少しして、「ムラカミさま、お食事をお持ちしました。洋食になります。」おお、名指しでサーブされるのか。これもスーパーシート代の中に含まれるのか。「ビールとワインもご用意しておりますが?」と聞かれて、よし、ここだと「ビ…」と言いかけて、つい、「いえ、結構です。」と丁重にお断りしてしまいました。スーパーシートが私を、お上品にしたのでしょうか。隣の席のおじさんは、「ワインって何処の?」と聞いていました。

そして、お食事は、小さなランチボックスというか弁当箱の中に、サンドイッチと、ハンバーグ、野菜サラダとゼリー。スモークサーモンがかすかにスーパー感を演出しているらしかったのですが、あまり鋭くないフォークが、大変使いづろうございました。スーパーなだけに、お行儀よく食べないといけないのだろうかと恐縮した私の手元から、サラダがポトリと膝の上に落ちました。あう。

おなかも軽く落ち着いたところで、せっかくスーパーシートなので、大きなリクライニングシートを倒して、フットレストも出して、読書を始めました。んん、やっぱり、ビール頼んじゃおっかなぁ。確か、この肘かけのとこのボタンを押したら、スッチーさん呼べるんだよなぁ。などと思いつつ持病の女の人苦手病の発作がやや起こって、躊躇しているうちに、

「当機は、まもなく着陸態勢に入ります。」

こんな私は、病院に入院しても、ナースコールできないかもしれません。

床の下で、ゴーっという轟音が響きます。車輪を出したのでしょうか。一番前の席ってことは、前から突っ込んだら、真先にペシャッ!と、なっちゃうのだろうか。などと考えてるうちに、ドスン!という軽い衝撃と共に着陸。斜め後ろから、再び「あ゛ぁ〜 あ゛ぁ〜」。衝撃で、起きちゃったみたいです。パイロットさん、もう少し静かに降りてください。

スーパーシートだと預けている荷物が優先的に受渡し場のベルトコンベアの所で出てくるそうですが、手持ちの荷物しかない私は、そそくさと空港をあとにして、タクシーに乗るのでした。実家まで2000円かかりました。しまった。割高になったかもしれん。ま、いいか。

結論:羽田−伊丹間は、ゆったりと、せわしない。

補足:帰りは混雑した新幹線だったので、それを思えば往路は快適だった。

---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------
近頃の本 『小顔・小アゴ・プルプル唇 「私が、答えます」2』竹内久美子(文藝春秋,1286円+税)すると、プルプル口紅は、エストロゲンが働いていますよ〜っていう擬態なのであろうか。
近頃の世 福袋ってそんなに売れているんでしょうか。年末年始は、テレビをつけると、中川家や磯野貴理子をやたら見た気がする。
近頃の私 イトーヨーカドーで、裾上げ済みのジーンズとかいうのを買いに行ったら、ラインナップの中で、一番、丈の短いのがピッタリであった。私の足は長くないとは思っていたが、、、。

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改めて見たら、seatがsheetになっている。いかにも日本人的な発音のミスであるが、席よりも、優待券に既に私はやられていたのかもしれない。