What does DRY mean?Date: Thu, 16 Aug 2001
食堂でドライカレーを食べながら、ふと、「これ、ドライカレーだろうか」と頭の中で?マークが渦巻きだした。たしかに、挽き肉は使われているが、あんまり水分が飛ばされてなくて、汁っぽい。 ゆで卵の輪切りが添えられているけれども、はたして?記憶をたどれば、大学生の時に、学校の近くの食堂で食べたドライカレーは、カレー味のピラフみたいな感じで、上に目玉焼きと干しブドウが添えられていた気がする。干しブドウなんて、蒸しパンか、ドライカレーにか、くらいしか活躍の場所がないではないか。なんて思っていた。 では、あれはカレーチャーハンか、カレーピラフかだったのだろうか。料理をしない私が解説しても仕方がないが、チャーハンは炊きあがったご飯を炒めるのに対し、ピラフはお米から炒めて、そのあと炊きあげるので、調理の順番が違うのだそうだ。 以前、会社の食堂で、晩に、残業食を食べに行くと、なんか昼食のメニューのカレー風味が多かったような気がしたのは、気のせいであろうか。とりあえず、たぶん、カレーは老若男女問わず、ワイルドカードな味付けなのであろう。残り物はなんでもカレーかチャーハンになる運命であるらしい。だとするとカレーチャーハンは、とどのつまりであろう。
そう、ドライカレーである。果してどっちなんであろうか。『どっちの料理ショー』に出てきたのはたしか、ピラフタイプでなく、ご飯(その時は、白ご飯でなく、サフランライスだったか?どのみちピラフなの?)にかけるタイプであった。 ドライにどれほど水気があるか。 アサヒのスーパードライが出た当初は、なんだ?粉末ビールか?と思ったものであるが、どうやら「辛口」という意味のようだった。そうか、「ドライ」という単語には「辛い」という意味もあるのか。と、おそらく少なく見積もっても、およそ5千万人の日本人が新たな語彙を身につけたに違いない。いや、英語的にどうか?と言われれば謎だが。 では、ドライクリーニングはどうなのだ。私の実家は牛乳屋であって、クリーニング屋ではないので、その工程がどういうものか良く知らないのだけれど、ドライクリーニングってどうやって汚れを落としているのであろう。家庭用のエマールだかドライアップだか買ってきても、あれは結局、水で洗うのである。洗濯機の「ドライ」というボタンを押すと、ジャァーーと水が出てくるのをいかがしたものか。と思う。乾電池に液漏れ注意と書いてあるくらいにいかがなものか。なのである。君は乾いているのではないのか。 そういえば、と思って『偶然を活かす発想法』という本を棚から引っ張り出して見てみると、1825年にパリの染物屋のジョリーさんが、ランプのオイルをあやまってこぼしてしまって、ふき取ろうとしたら、汚れも落ちてこりゃすごいと発見した。と書いてあった。どうやら、溶剤で濡らすけど、水は使わないからドライであるらしい。失敗はしてみるものである。もっとも、多くの失敗はただの失敗である。 インターネットを使い始めた当初、クールサイトと言われても、夏の怪談話のサイトだろうか、それとも、周囲を寒くするようなすべったギャグのサイトだろうか。などと思っていたものだが、どうやら「かっちょいい」サイトのことであると知ったのは少し後だったのに似ている。その後、私は、「クールですね。」と言われて、(ほう、私はかっちょいいのか。)と悦に入っていると、どうやら「冷たいんですね。」という意味であるらしかった。 カレーライスは、かつてはライスカレーと表記されていたようだが、あれも果して、なんなのだろうか。ご飯とカレーの配分の違いだという説も聞くがどうなのだろうか。だとすると、大盛りカレーはある閾値を越えると、そこからライスカレーになるのか(経験上、大盛りカレーは、カレーのルーの増加量より、ライスの増加量の方が大きい)。カレーとライスがどっちが右か左かで決まるのだ。とも聞いたが、それはカレイとヒラメの間違いではないのか。 わざわざビーフカレーと「ビーフ」を使うのも、私には謎だ。単なる、「カレー」だと牛肉ではないということか。死語だという噂もあるが、「ビフテキ」とわざわざ言ってた文化の名残なんだろうか。ちなみに、私の実家では、豚肉のステーキだと「トンテキ」、ローストチキンは、「こっこちゃん」と呼ばれていた。 などと「マグロのステーキ」って何だ?「コンニャクの刺し身」って何だ?と悩みながら食べてては、消化に悪いので、「これでいいのだ。」と悩まず食するように努めるのである。なお、私は、カレーライスを食する時に、グチャグチャに混ぜない。辛くなったら、ご飯だけ食べたいからである。水を慌てて飲んでも、辛さが増す場合だってあるでないか。ドライカレーを食べながら、慌てて水を飲んでは、ドライではないではないか。
---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------ 果たして、これにも地域性はあるのか、それとも、私の勘違いか。実家の母に「ドライカレーってどない?」とたずねて、聞いた答えと、私の記憶がいまいち一致しないということは、我が家のレシピにドライカレーは無かったということかもしれない。 『どっちの料理ショー』は、日テレ系、読売テレビ制作の番組です。関口さんなんでいつもビール飲むのだろう。エマールは花王(株)の製品です。 ドライアップはサンスター(株)の製品です。 『偶然を活かす発想法』は、原題が"Accidents May Happen" 著者シャーロット・F・ジョーンズ、絵ジョン・オブライエン、訳左京久代(晶文社,本体1900円+税)です。 |