あさっての向こうへ

で、どうなんだと言われると、言葉に窮するのであるが、ご覧の通り、

• 明後日の翌日は全国的に「しあさって」である。そして、およそ半数は、明後日の翌々日を表す単語はないと回答している。（半数くらいが「ない」という回答なのは、文献にある調査でも同様の傾向がある）
• 文献にあった、1900年前後の生まれの方の調査にみられた「やのあさって＞しあさって」の東日本パターンは跡形もない。
• かつて東京タイプであった「しあさって＞やのあさって」は環東京地方ではいくらか残っている。でも、当の東京では、すたれてるらしい。
• 愛知県で「しあさって＞やのあさって」が２件あるが、文献では愛知県は、どちらかいうと関西系だったのだが、どうやら東京タイプが流れているらしい。
• 文献にある調査では存在していない「ししあさって」が、埼玉、東京、大阪、兵庫、高知にある。関西芸人の言い回しが転移したのか。あるいは、クラスに数名は必ずいる、ふざけ癖のある児童の言い回しが普及したのか？埼玉、東京の２件の回答に（）付きの言い訳がついてるのが興味深い。
• 今回、サバイバル度が高いと思われるのが、高知県の「さしあさって」である。だが、他の地方の方からのコメントで「さしあさって」じゃ「差し当たって」とまぎらわしいというのがあった（２件）

かつては、自分の生まれの國から出ることなく、一生を終えた人も多かったのだろう。

交通機関の発達は、人々を容易に旅をさせ、他の地方との接触が増えたのであろう。

テレビ・ラジオ・電話・新聞・雑誌。マスコミュニケーション技術の発達は、全国の人々に、標準的な言い回しを広めたのだろう。

インターネットの普及により、情報だけは、個人レベルでも、地球の裏側まで行ける。

物理的な距離だけで「蝸牛」を考えることはできない。E-mailはSnail-mailよりも遥かに早い。

でも、その情報を取ってきたつもりの脳味噌のハードウエアは頭蓋骨の筐体の中にあり、身体というムーブラックと共に、今、私がいるここにある。

ミクロには分裂的に、マクロにはまったりと、すくなくとも日本という国はそうして在るような気がする。

随分、更新してませんが、その後、いただいた回答を載せてみました。
三重県の方で「ささって」が出たのが新鮮。北海道の方で明後日で「やのあさって」を使う。古き東日本方言が生きてるってのも不思議。

こないだ、アサヒの発泡酒「本生」のCMで、「明日の本生、あさっての本生」「あさっては出張でしょ」「しあさっての本生、やのあさっての・・・」って台詞があって、果たして、これは全国区放送なんだろうか。と思いました。本生.comのTVCMライブラリーの「とある夫婦篇」で画像見れます。

2001/07/28

さらに数件データ追加。絶滅したかと思われていた「やのあさって＞しあさって」の旧東日本タイプの方がいました。その他の方も、「しあさってだって、めったに使わないのに、その次の日の呼び方なんてあるの？」という反応が多いようだ。

2001/08/05

データ追加。大阪にも「やのあさって」使いの方が、いらっしゃいました。

2001/08/19

この２ヶ月くらいで２０通くらい回答頂いたので追加します。

2001/11/15

このネタ書いたのって1999年かぁ。ずいぶん経つなぁ。でも、まだ年に数通回答を頂くので追記してみました。

2006/05/27