[*]Not a Lipton

Date: Mon, 2 Feb 1998

というわけで、私はノコノコとカルバンクラインのハイレグのパンツを求めてでかけるのであった。

まったくもって、この手のパンツときたら、サイドは腰のところのゴムの部分だけで、そのゴムの部分にブランド名が書いてあったりするのである。見せたがりな人は、その部分を、ずらし気味に履いたボトムの上から見せてたのである(95年頃かな)。「なぁなぁ、あんたパンツ見えてんでぇ」と注意するわけにもいかない。

ハイレッグカットだから布の部分なんか「三角形ッ!!」って感じで、そのまま頭にかぶれば「うらめしや〜」とやれそうな感じである。しかし、この手のパンツはトランクスに比べると、履き心地の当たり外れが大きいような気がする。ゴムの強さ、カットの角度、股上の長さ、骨盤との相対位置などがいまいちだと、どことなく決まりがわるい。違和感がある。

かといって、お店で十分に検討するわけにはいかないし、試着してみるわけにもいかない。

そして、お店でパッケージを見て「???」となる。サイズのところに「米国サイズ」とあるのである。「なんじゃこりゃ」日本はお米の国だけど、一般に米国と書けばアメリカ合衆国。the U.S.A.である。「もしや、ちょっと大きめなのか?」

『BC!な話 あなたの知らない精子戦争』竹内久美子(新潮社, 1300円)に引用されているラシュトンの調査の結果によると、おちんちんの大きさは

ニグロイド 15.9〜20.3cm 幅5.1cm
コーカソイド 14.0〜15.2cm 幅3.8cm
モンゴロイド 10.2〜14.0cm 幅3.2cm

となっている。どこをどう計ってこの数字を出したのかは知らないが、統計学の勉強がおろそかな私が見ても有意差有りである。相手は人種のるつぼ合衆国である。いつもはMサイズを買う私は、遠慮がちにSサイズを手にするのであった。結果的に十分な大きさだったのだが…

で、うちに帰って履いてみる。光恵ちゃんではないけれど、「毛ェはみ出るっちゅうてんねん!」夏の海辺のおねえさんではない私は、「ま、いいか」とそのまま履くのであった。

さて、実は私はティーバックなる物も持っている。ティーバッグはリプトンである。マクド(関西人「」とはイントネーションが異なるが関東の人も使うらしい「マクド」と、この頃気づいた。)でビッグマックをビックマックと呼んでしまうくらい違う。ビックカメラは大きい亀がCMをやろうとビックカメラである。

よくわからんのが、布の部分が著しく減っているにもかかわらず、値段は安くならず、あろうことか高いものも存在するということである。

たしかに履いてるうちに慣れる。お尻の自由度が大きくなるので、考えようによっては楽である。しかし、なんだか小心者の露出狂のような気分になる。と言っても実際にそういう人がこういう気分かどうかは知らない。ま、文章を書いて人に見せたりするあたり、多少その気があるという説もある。

そして、最大の問題は、トイレで大なり小なりの用を足したあと履き直すと、せっかく慣れて体の一部になっていたT-backがえも言えぬ違和感を持つことに耐えがたくなり、履いて出掛けるのを控えるたくなるということなのである。

T-backを履いたとき、お尻の横にポッコリ窪みができるのを見て 「あ、ぼくは、やっぱり、男の子なんだ」と思うのであった。#その前に前を見れっつうの。

---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------
当時の本 『ブッダの夢』河合隼雄、中沢新一(朝日新聞社,1300円)都市に住んでると隠される四苦。自分は悪人だという意識。出家の坊さんではなく在家で修行をする心。
当時の世 中学校の先生が生徒に刺し殺された事件にえも言えぬ苛立ちを感じる。ちょっと考えがまとまらんうちに本物の銃が欲しかったとかいいつつ警官を襲う中3も出てくる。なんじゃそりゃ
当時の私 「1月は行く。2月は逃げる。3月は去る。」と、昔、学校の先生に習ったのだが、今年の1月は例年よりも妙に長く感じられた。

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