Date: Mon, 11 May 1998
ぼくが小学校に上がるか上がらないかの頃、あと20年くらいしたら石油がなくなるとか言ってたような気がする。みんな「省エネ、省エネ」と騒いでた。あれから20年くらいになるが、エネルギー大量消費はひどくなったような気もする。化石燃料の在庫がいつまで持つのか知らないけれど、たぶん、まだ明日から使えませんなんていう話ではないのだろう。
その頃は、地球が寒冷化して、また氷河期が来るなんていう話が世に広まってた気がするけど、近頃は逆に地球温暖化が危惧されている。宇宙は寒いらしいので、長期的には冷える方向なんだろうが、それは星のライフスパンぐらいに気の長い話だから、もうすこし短い間で考えれば暑くなるのかもしれない。
喉元を過ぎたわけではないが、騒ぎ飽きたのか、この頃は温暖化の熱が冷めてきてたりして、最近のトピックは環境ホルモンである。
臓物の肉料理をホルモンというが、あれは関西弁で「捨てる物」という意味の「放る物:ホルモン」からきた言葉である。でもまぁモツ料理は精力増強なんかとくっつけて話題になることも多いのでホルモンの分泌を変えるかもしんない。
関西人のぼくは、時折、「捨てておいて」と言うつもりで「ほっといて」と言って捨てられずにほっとかれることがある。同様に、どこも壊れたわけでも、修正したわけでもないのに「しまう」ことを「なおす」と言うことがあり、「なおしました」「どこかまちがってたっけ?」と聞かれる。
ぼくが小さい頃、隣がホルモン焼き屋さんだった。と言っても、その場所に住んでいたのが物心がつくかつかないかの頃なので、その家の記憶はあまりないが、ホルモン焼きの匂いにはいくらか原風景というか潜在意識というか、なにか懐かしい感じがある気がする。嗅覚は五感の中では特に潜在的だ。
そういえば、ホルモン焼き屋の『じゃりん子チエ』の連載も終わったなぁ。関西のテレビだと、『ハイジ』よりも『チエ』の方が再放送回数が多いのじゃなかろうか。
で、話題は環境ホルモンであった。
医者や薬屋でもらう薬を考えても分かるように、あんな指の先ほどの量の物質を摂取しただけで、体調や気分をコントロールできるということは、体と心はすごく微妙なバランスの上に成り立っているのだなぁと思う。
そもそも、ホルモンは体内で分泌される微量の化学物質だ。摂取するとそのホルモンの分泌に影響を与えてしまうものが環境ホルモンと呼ばれるらしい。
人の体は基本的に女性がベースなんだそうだ。それこそホルモンの影響で、胎児の時に男性化が起こるそうで、そのバランスが変わると、外見上女な男とか、性格上女な男とか生まれるらしい。はて、じゃぁオナベな人はどうなんだ?
環境ホルモンの影響でこのバランスが崩れて、オスがメス化して生殖機能障害が出て人類に未来がなくなるんだそうだ。こないだまで人口爆発を心配してたくせに、今度は子供ができなくなると心配する。ワガママだなぁ。そんなに心配ならレッドブックの絶滅危惧生物のリストにホモサピエンスも書き加えておいた方がいい。
いっそのこと絶滅してしまえば、さまざまな問題が消失する。なによりも、問題を考える脳ミソがなくなれば、問題そのものがなくなる。遠い将来の別の生き物にとって人類由来の化石燃料ができていいかもしれない。
ぼくはワガママなので、人類の未来よりは、ぼく自身の未来の方が気になる。それに、人類はワガママに自然をねじ曲げるのが得意だから、みんなメスになっても科学の力で単性生殖の道でも切り開いて子孫を増やそうとするんじゃなかろか。
町を歩けばみんなラブラブだし、知り合いからは子供生まれましたメールは来るし。子供って一人っ子でも「供」って複数形だなぁ。例によって、「がんばってね」は言えても「おめでとう」は言えないなぁ。と思いつつ、当面は絶滅しないんじゃない?と思う。逆に、遅かれ早かれ、いずれ絶滅するのはどのみち決まってるんだし。諸行無常、盛者必衰と昔の人の言う。
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当時の本 『ニュ−ハ−フという生き方』猫目ユウ(ごま書房, 1200円)ニューハーフの人というのは、精神的に自意識が女性であり、かつ、体もそれに合わせようとした人たちだと言える。ある意味、ダイエットに熱心な普通の女性と変わらないと思う。その点で、通常のゲイの人やクロスドレッサーの人とは明確に違うと言える。それを価値の多様性というか性同一性障碍というかはスタンスの違いだろう。
当時の世 X JAPANのhide自殺。大勢のファンの葬送の列
当時の私 とりあえず、当面生きてる予定。急いで死ぬ必要はない。でも、やることなくなったら自殺しようと思っている。だから生命保険はいらない。