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| 白い薄皮を剥ぐと、ふんわりまろやかな黄色いスポンジ。残念ながら、香ばしい茶色の焼き目はついていない。 |
さて、いかがしたものか。と近所のスーパーの寝具売り場に出掛けてみると「快適睡眠 カステラピロー」なるものが売っている。カステラピローと言っても、いわゆるお菓子のお家にある寝具ではない。ちなみに、カステラは、スペインのカスティリヤ地方の辺りにあった王国の名前のポルトガル語なんだそうで、その地方のお菓子を南蛮人が持ってきたらしい。
で、件の枕は低反発ウレタンフォーム製とある。要は、スポンジ枕である。海綿枕とでも呼ぼうか。いや、やはりカステラの方がソフトでまろやかな感じがする。
またしても「頭部が自然にフィット」という煽り文句が書いてある。もうだまされまい。と製品を触ると、触ったところがズブズブと沈む。なるほど、これが低反発か。説明書きによると、従来のウレタンフォームだと、変形に対する反発力が強いため、逆に頭部が圧迫されるとある。
低反発だから、頭の重さに対して抵抗せずに、凹んでぴったりフィットとなる寸法なわけだ。それにしても「衝撃を吸収します」とあるが、普通に寝ていて、衝撃的に枕に頭を乗せることがあるかは謎だ。でもこれなら、たとえ寝返りを打っても、頭の動きに合わせて枕の凹みが追従してくれるので良さそうである。
買って帰って、早速開封する。こう、なんですな。枕に限らず、新品を袋から出すのはワクワクしますな。おお、なんかズブズブ沈む〜。まどろむ。まどろむ。「まどろむ」って妙な語感だなぁ。辞書引くと「微睡む」と、出てきた。「ちょっとの間の仮眠」。じゃ本格的な熟睡とは違うのか。「微睡む」って字面もなんかいい味だ。「微笑む」の上を行くね。
でも、なんだか樹脂くさい。説明を読むと「お使いはじめはニオイが感じられることがありますが、風通しの良い日陰に数日間放置していただければ、徐々に薄れていきます」とある。どうだろう慣れるとこのニオイが入眠効果があったりするのだろうか。デレデレなタオルはたぶん、自分のニオイがするから落ち着くのだろう。
説明書きに謎の文章。「使用目的以外の使用はしないで下さい。」なんだ?これをどうするのだ。枕でなくて尻にしいてクッションにしてはいけないということか。袋詰めにしてこのウレタンのニオイを嗅いではいけないということか。果して「使用目的以外の使用」の目的の謎は解けないのであるが、私は眠りの淵に落ちるのだ。かといって、必ずいい夢見れるわけでなし。先日、またしても「卒業できない夢」を見てしまった。
---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------
当時の本 『帰りたくない!』茶木則雄(本の雑誌社,1600円+税)「確かに私は自他ともに認めるろくでなしである。酒も博打も大いにたしなむし、できれば若い娘さんも、たまにはたしなんでみたいと思っていたりする」(あとがきより)茶木さんちの夫婦喧嘩は、犬に食わせるには、もったいない、なかなかいい味である。
当時の世 うっすらと汗がにじむポカポカ陽気。ツバメも飛んでいる。
当時の私 うっすらと手が震える。偏頭痛がする。肩が凝る。胸が痛い。やばいじゃん。なんて言ってたら「どうして医者行かないの」と叱られる。