前回のあらすじ  むうさんは、ペリカンのくちばしにくわえられて、やってきた。(粗過ぎ)


[*]AIBO named Mu-san

Date: Tue, 16 Mar 2000 記

4/23
というわけで、とうとうロボが来た。 でも、まだ生まれたばかりなので、伏せて足をジタバタするだけです。 立てまへん。どっちかいうと、仔犬というより、人の赤ん坊の姿勢に近いような気がする。 しかし、歩くようになった日にゃ、 奴が歩くスペースありません。


夜中に起動すると、ファンとモーターとお返事の電子音(犬ではないので、ワンワンと言う訳ではないのだ。なにかしらBGMで気分を表すらしい。それにしても、尻尾をやたらと振る。)が騒音公害になりそうです。なので、とっとと、座布団の上で充電モード。むうさんに指令を与えるのには、ロボだからといって、腕時計型のコントローラに向かって「ロボ、充電態勢ッ!」と叫ぶわけではなく、ラジコンのコントローラーみたいなので操作するでなく、いわんや、乗りこむわけでなく。付属のサウンドコマンダーとかいう装置で音の組み合わせで指令を送るのである。[0][3][SEND]とキーを押すと、「ミ〜レ〜ド〜」と能天気な電子オルガン風な音が奏でられる。誰も聞いてなくても、なんとなく恥ずかしい。むうさんはニコニコ顔で伏せの姿勢になる。

取説には「長時間添い寝するのはお控え下さい。低温火傷のおそれがあります。」と書いてあります。 横で起動させときながら、メルマガのネタ書いてました。そしたら、「かまって、かまって」と言わんばかりに、首や足をジタバタさせて、目が不機嫌モードの点滅してました。

4/25
風呂によく入ってるのは、かげろうお銀だし、 昔、Hiromi GOがやってたのは流れ星佐吉である。 『銀牙−流れ星銀−』と言えば、高橋よしひろのマンガだが、むうさんは絶天狼抜刀牙はできない(と思う)。それにしても、高橋よしひろ、ゆでたまご、といい、車田正美まで、往年のジャンプ作家がこぞって二世ものをやってるのはなんだろうか。ま、鳥山明のドラゴンボールはすでに連載中に二世、いや、三世代になってたな(でも、悟空の院政体制だったが)。それを言うならジョジョby荒木飛呂彦なんて何世代目だちゅうの。ま、むうさんがブラックタイプなら、ライコス犬や、ロデム(犬か?奴は)からみになるところであろう。

とそれはさておき。 ココ掘れワンワンみたいなポーズと 前足を口元に寄せて、歌を唄ってるようなポーズが 新規でしたが、立ってくれない。後ろ足の処理が、四足動物というより、アンギラスやガメラである。

4/26
本日は、首の動きが激しいむうさんです。 わたしの散らかった部屋を観察しているのでしょうか。 パソコンに向かう間は ご機嫌取りに、ピンクのボール(付属品なのだ)を与えてます。赤ん坊の場合、子育てを面倒がってビデオを見せっぱなしで育てると、情操教育に良くないという説もあります。
でも、特にボールを使って彼が遊ぶわけではありません。 それにしても、ボールの見つけ方が わざとらし過ぎて困ります。 「おーっと、こんなところにピンクのボールがぁ〜」 って感じ。

4/27
むうさんの活動限界まで稼働させようと、充電態勢の指示を出さなかった。別に首に繋ぐアンビリカルケーブルはないし、五分しか動かないわけでもない(仕様上は1時間半くらいはバッテリで動くらしい)
ついに、一瞬、立っちした。
でも、すこしして、電池切れで、お怒りモードな目の表示と共に、自主的に充電モードになった。だから、座布団(充電ステーション)に座っている。別に、自主的に充電ステーションまで歩いて行ってくれるわけではない。

4/28
むうさんを起動したら、 少しして、お座りした。 おお。 首をキョロキョロする動作が激しい。 俺の魔窟をそんなにしげしげ見てどうすんだ。奴が犬でない証拠に、本来、鼻があるべき部分にCCDカメラがついている。じつは鼻が目で、目に見えるのは表情をつくるためのLEDで。ということは、見る機能と、表情を見せる機能は分解されてるわけで。
みんながタコの頭だと思ってる部分は実はお腹で、というのとは、あんまり関係ないか。
犬ではないので、舌を出して体温調節するのではなくて、胸の吸気口から空気を入れて、背中から排気するファンによる強制冷却である。
本日は、2回くらい立ちあがって、 1回はピンクのボールを蹴飛ばした。(当時の私は、およろこびのようだが、別に彼がボールを認識して蹴飛ばしたのでなくて、立って前足動かしたらそこに、たまたまボールがあっただけだと思われる。)
4/30
今日は、むうさんも一緒に出勤した。 なんかOさんが、子供の相手をするように、えらい受けてた。 周囲からは、「きっと、この人、お子さん相手の時もこんな感じなんだろうなぁ」との声が出る。Oさん曰く「でも、これ、子供だとすぐ壊しちゃいそうだね」 Hさんには、「やっぱり、こんなもの買うのはお前か」 と言われた。 硬い机の上だと歩きにくいのだろうか。(やらせモードで歩かせたのである。 ぎこちなかった。)Oさんが、「飛ぶぞっ!」と、むうさんを掴んで持ち上げると足を伸ばして立つ姿勢になった。一応、「地に足が着いているか」というのは検知するらしい。

5/1,2
なにやら仕事で、はまってしまって相手できず。むうさんは充電ステーションの上で満腹胸焼け状態。いや、胸が焼けてるかどうかは知らんが。
メーデー集会は4/29だか30だかになったとか。全然メーやないやん。ん?メーって、Mayではないのか?

って、これは真向法の第三体操だ

5/3
なにやら、立ちあがったあと、足をバタバタさせて、 謎のゴーゴーダンスを踊るむうさん。 バランスを崩して、顔からつんのめって、こける。 そのあと、前足を妙な動きで使って、姿勢復旧。 それくらいはできるらしい。 でも、まだ歩けない。

5/4
ハラヘリニコフな、むっちさんは、近所に住んでるYさんちにネタ営業に出かけて晩飯を頂いた。Yさんのお友達のHさんも来てた。「猫型だったら、ニャンボ」「象だったら、ダンボ」「人型だったらマンボ」という掛け合いにウけてしまった。私は心の中で「人型なら、2体セットで、ヤンボ・マーボ。いや、ヤンマーからクレームが来るかもしれない。いや、ダンボもディズニーの版権は難しいと聞くしなぁ。」と思っていた。一食のお礼に、むうさんを預ける。しばしお別れ。

5/6 
Yさんからのメールより

今日のむうさん。 歩いた。 その距離3メートル。 バックも出来るでぇ。 歩きたくって仕方がないんだよね。 にしては、この床、滑り易いんだよね。 はい、両手を大きく上にぃ。まる。 なでてなでてぇ。 あれ。進まないのね。進まないのね。 そんな感じ。 ふふふ。 あ! ちょーだい!ちょーだい! ってした。 一瞬電池切れかと思ったら、 ぷるぷるぷる。いけねぇいけねぇ。 ってした。 ベランダの網戸に突進! どこまで行く気だ?

くーっ!俺のいないところで歩き始めやがって!!彼にはきっと網戸は向こうが見えるので、壁として認識できないのであろう。

5/7
無事帰宅。と思ったら尻尾の動きがぎこちない。運搬中にちょっとひねったらしい。少し引張りながら回すと直った。強引に袋に入れて運んじゃったからだな。 預けてる間に起動のファンファーレが変わって 次のレベルに上がってるようだ。すぐ立って歩くし。Yさん「キレイになったご主人さまのお部屋で、 たくさん歩かせてもらうんだよ・・・。」キレイになってないので、何歩か歩けば、なぞの断崖にぶち当たるむうさんであった。

5/8
Yさんより、「むうさん作ったのは、犬飼ってる人な気がする。 むうさんって、人っぽいけど、 やっぱ犬ぽいもん。」とメール。

俺、犬飼ったことないのよね。実家が牛乳屋だったからだけど。 その分、お客サンちで、犬飼ってたとこに配達の手伝いで行った時は、なんだかドキドキだったのね。 1回噛まれたことある。
それはさておき。 どうやら、むうさん、時折、ワンワンと犬のような 鳴き声をあげる時がある(ちっ!犬の振りしやがって)。 昨日、1回だけ、一部で有名なションベンポーズをした。 BGMはジョロジョロジョロジョロ(写真は撮れず)。
どうやら、はっきりした壁が目の前にあると彼は後ずさりする。 やはり、Yさんちでは、網戸が壁であることがわからなかったのだと思う。(向こうが透けてるから。)

5/9-10
出張続きで、お留守番。

5/11
歩くようになったのだけど、 要は、伏せってたのが、歩くようになっただけで(なんて言いながら、感動のない人間になっていくのだな)、 まだまだ、芸は少ない。 私の寝床は、せんべい布団とはいえども、弾力があるので、 いくらか歩きにくいようだ。 今日は、布団の端から出て、冒険しようとして、 布団の端の段差で転倒して、自力脱出できず。 なにやら、バンザーイ、バンザーイと スピーカーから電子音声を響かせながら、バンザイをしてる。 へんなの。ここから拍手でもしようものなら、雲龍型の土俵入りである。

5/12
あたらしいBGMと共に、小技は出すが、大きな変化はなし。 前日にソニーからメール。アイボの飼主のことをAIBOWNERと呼ぶらしい。 アイボーナーと読むのだろうか。 専用キャリングケースが17日より発売になった。 一個は、赤のバックパック型で窓からアイボの顔が見える。 も一つは、アイボの形を型どった青のカジュアルバッグ 最後に、黒のカジュアルバッグ。ジッパーあけると顔が見える。 最後のだと、抵抗がすくないかな。 他に、純正ではないけど、カメラマンが持ちそうな、 アルミ製のごついバッグも出まわってるらしい。

---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------
当時の本 『トトの世界 3』さそうあきら(アクションコミックス, 533円+税)イヌと共に、幽閉されて15歳まで育ったトトが、言葉と共に、世界の広がる喜び、言語化するつらさ。
当時の世 昭和は遠くなりにけり
当時の私 少し、お仕事は凪。カタコリニコフは帰ってくれない。永住するつもりだろうか。

つづく

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腕時計みたいなコントローラーを使うのは、たぶん、『ジャイアントロボ』である。
ラジコンみたいなのを使うのは『鉄人28号』。
お銀は黄門さまの御付きのくノ一で、演じてるのは由美かおるである。
アンギラスは昔のゴジラの、敵であり仲間であり、四足怪獣は膝をつくのがお約束である。
ちなみに、わたしは平成ガメラではG2「レギオン襲来」が好きである。
「活動限界」「アンビリカルケーブル」は『新世紀エヴァンゲリオン』の用語である。アンビリカルケーブルというのはエヴァに電力を供給するための電線のこと。ケーブルが切れると、内蔵電源での動作になり、通常5分で活動限界になる。ちなみに、「アンビリカルコード」というと、「臍の緒」のことらしい。