[*]Go Straight

1998/11/08

こないだ、数少ないお友達のうちの一人のK子さんに、
「男の人は、ちゃんと短髪にしないとダメです。こんど会う時に長いままやったら、会わんと帰りますよ。」
と教育的指導を受けた。長いと言われても、昨今多いロン毛の人ほどではなく、後ろがかろうじて肩に届くくらいのぼく。

「それは、あんた、君の好みの問題とちゃうのん?ちなみに、ぼくは単にヘアスタイルだけで言うなら、ショートの女の人の方が好みやなぁ。ま、好きな人がロングヘアやったらそれはそれで好きなんですけど」
「俺ってばおかしいから、あんまりかっちりと真面目なヘアスタイルしてたら先方が真面目な人やと勘違いするから、あとで見損なわれないように、あらかじめ、見た目を損なっておくわけやね。なんちて。」
と一応の反論を試みようとしたのであるが、うまくなかったようだ。

ショックのあまり、その日のうちに断髪式でも挙行しようかと思ったのだが、あいにく、夜風が強かったので、
「今、急に短くしたら、首筋が冷えて風邪引いてしまうな。」
「それに、髪の毛がらみのネタ書きにくくなるしな。髪の毛がらみやて、からむねぇ、癖っ毛なだけに。」
と独りボケの世はふけていくのであった。あ〜寒。

村上春樹がエッセイの中で、「男の子でいられる条件」として、「月に一回、床屋に行くこと」というのを書いている。美容室ではダメらしい。その他に「日常的にスニーカーを履くこと」とか「一万円以下の腕時計しか身につけないこと」とかいうのがある。ぼくはと言うと、床屋には行くが月1ではない。まぁ日常の50%くらいはスニーカー。腕時計はそもそもしない。うむ、なんだか判断に苦しむが、どうでもよいことだろう。

9月の中頃であったか、髪質改善研究所の「くせ毛・縮毛用ストレートシャンプー」と「同トリートメント」を買った。「改善」などと言われて、
「ああ、ぼくは生まれつき悪人なのだ」
とショックのあまり、自分の髪の毛で首を締めての自殺を図ったのであるが、いかんせん、そんなに長い髪ではないので、首に回らず未遂に終わった。

キレイになりたい男の子向けの雑誌が存在していることは知っているけれど、ダサダサなぼくが、その雑誌をレジに持っていくの図が、どうも気恥ずかしくて、いまだ、買って読んだことはない。新聞や電車の中吊り広告の女性誌の記事の見出しなんかをみてると、

サラサラヘアーでキメる!

とかあるかと思えば、

外国女優のようなクルクルヘアーになりたい!

とかいうのもあって、「おいおい、クルクルになっても、あんたは外人女優にはなれんぞ。たぶん。下手にパーマあてると、それこそ、クルクルパーになるぞ。」と無言のツッコミをする。

「ハッ!まさか、俺ってば外人系?そういや、親父を見かけた、お母んの友達が「あんたベトナムの人と結婚したん?」て言われたとか言ってたな。それとも、天然ボケのクルクルパー(略して天パ)は俺自身なのか?」と果てし無い(いや、そのうち、飽きて終わるので果てはある)ノリツッコミの世界に落ち込んで数分間、こちらの世界に帰ってこれなくなるのであった。

さて、その髪質改善の効果であるが、ご存じの通り、爆弾コントのドリフなのか、頭にスチールウールか鳥の巣か載せてるのか、天然パーマもエスカレートして天然アフロに成長するのか。という感じである。あんまり効いてない。

これ使って、髪を洗った晩はなかなか、しっとりと落ち着いてるんだけどなぁ。私思うに、よく乾かさずに寝てしまうことが敗因ではなかろうか。ま、あと数年もすれば、髪質にもコシがなくなってしんなりするだろう。

髪質改善研究所 くせ毛・縮毛用ストレートシャンプー&トリートメント 購入価格 各1800

---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------
当時の本 『ドン・キホーテのロンドン』鴻上尚史(扶桑社, 1238円+税) 『SPA!』連載の単行本第4集, 文化庁の芸術家在外研修制度でロンドン留学したKOKAMI Shojiの奮闘記
当時の世 野村阪神始動。
当時の私 11/5のYahoo!JAPANの今日のオススメで私のホームページが紹介された。

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