There is a little toeDate: Mon, 4 Jun 2001
最近、どうも、足の小指が気になる。 「なんなんだこいつは。」と思う。でも、なかったら、バランスとりづらいのだろうか。などと思う。靴の中でやり場がないのか、ゴソゴソしてるうちに靴擦れになったり、ウオノメができたりする。 申し訳程度の肉塊に、申し訳程度の爪がついて、その狭いところに、ウオノメ、タコ。イボコロリなんかつけたら、小指そのものがポロリと取れてしまわないか?もしかして、夜中に分離してウロウロしてるのじゃないか。ひょっとしてパラサイト(寄生生物)なのではないか? 時折、柱や壁の角にぶつかる。非常に痛い。「ああ、君は、柱にぶつかるために存在するのか。よくぶつかるくせに、君は非常に華奢ではないか。」まぁ、よくぶつかるのは、別に小指が悪いのでなくて、単に、小指が端っこにあるからで、小指がなければ、薬指が被害者になるだけであろう。 サンダル履きの女性の足下で、鼻緒(とは言わないか、下駄や草履じゃないんだから)の端から、ポロっとこぼれている小指の小さな爪がペディキュアで存在を誇示してると、なんだか、グラスやマイクを持つ時に立てられた、手の小指みたいな妙な存在感がある。きっと何か電波を受信するアンテナに違いない。 たまに耳を動かせる人がいるが、あれは獣が周囲を警戒するのに、物音がした方向に耳を動かしていたなごりだという。人間の場合は、耳が頭の上でなくて、横に来てしまったので、耳が動いても、芸の一つにしかならない。かつて、威嚇の表情をつくるための筋肉が、笑顔をつくるための表情筋になってるのが人である。(ま、威嚇にも使うらしいが) 目は獣は両目がそれぞれ横について、視野角を広くとるように配置されていたのが、人の目は両方とも正面について、視野角が狭くなった代わりに、ものを立体視することが可能になったという。(はて?だとすると、立体だという考え方は、人しかしないのだろうか。聴覚や嗅覚で距離は分かるか?触れるほど近ければ、形は分かるか?ひょっとして、視覚は、きわめて誤解をする感覚なのではないか) 「進化」という言葉にだまされてはいけない。ひょっとすると、退化であったり、機能の転換に過ぎないのかもしれない。人類が万物の霊長であるわけはないのは、ライオンが百獣の王であるわけでないのと同じくらいであろう。 足の指はたぶん、お猿さんの方が器用に使う。人の足指は、下駄や草履の鼻緒をつかむくらいしかできない。だとすると、将来、人類の足は、指が退化して、地下足袋のようになるのであろうか。硬い地面に対応して、人類は、靴という人工の蹄を履く。 話は足の小指であった。彼は何をしているのか。逆立ちして手に足の替わりをさせてみる。足の土踏まずほどではないが、手のひらだって、くぼんでいる。実は手の指は伸ばすより、曲げた方が、バランスをとりやすい。体重を支え慣れてないので、腕がブルブルする。 手指で支えながら考えてみる。たぶん、足全体でバランスを取る仕事の下5桁くらいを指がやってるような気がした。ま、足だと親指が立派だから、その他4本はさらに微調整。理科の実験で、上皿天秤に乗せた分銅のでかいやつでなくて、最後に乗せる、薄い板の重り。
---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------ 今回、タイトルをつけるにあたって、辞書で"Finger"引いたら"One of the five digits of the hand, especially one other than the thumb."と出てきた。なんじゃ親指って別扱いなのか?ま、たしかに、つき方がなんか別だものな。っていうか、フィンガーって手指にしか使わないの?って思った。だって、"Toe"って言われても、漠然と、「つま先」じゃん。 |