Date: Tue, 20 Apr 1999
月曜日は作者取材旅行に行ってました。
というのはウソで、仕事で出張してました。
今週も土日なしで働いたから休載なのか?と問われれば、
「なにやら日曜日は職場は停電しているらしい。」おまけに
「外は雨が降っているらしい。」というのにかまけて、惚けていたのであります。
雨が降ったらお休みにするようじゃ、こんどは風が吹いた日に遅刻しなければなりません。
惚けていただけに、何をして過ごしていたのか記憶が定かでありません。 この頃、ふと自意識が飛んでしまっていることが多いです。多分に自意識過剰な私であるから、このくらいがちょうどいいのかもしれません。
町を歩いていて、ふと、「目の前を歩く人もまた、おそらくその人の自意識をもって 「ああでもない、こうでもない」と考える人なのであるな」と改めて意識してしまってなんだか怖くなったりします。
惚けながら歩いていると、いつのまにか、バッグの中に本が入っています。 いや、別に手癖が悪くて、くすねてきたわけではありません。それにしても、「万引き」 ってなんで「万」なんでしょうね。
惚けてる間に財布の中身も減っているから、スリに遭ったのでなければ、 たぶん、ちゃんと買ったのでしょう。 ぼくが「つい、本を買い込む」場合、そのあとに何かやっかいな仕事をかかえてることからくる逃避行動である事が多いです。
たくさん仕事をしているのに、いっこうに片づきません。おかしい。あとは1日を24時間より延ばすより手がないような気がしますが、延びた分、全部仕事になるのは御免蒙りたいです。
たぶん、どこか計画がおかしいのだと思うのだけど、法人さんの体重は大きいので、慣性の法則により止まるわけにもいきません。止めるにも膨大なエネルギーが要る。なんとか進んだ方がいいのでしょう。世の中はひょっとすると、巨大な寛平チャンなのではないでしょうか。「止まると死ぬんじゃ」
「若い時は、働けるだけ一所懸命働かなきゃ」という人がいます。
まぁその、懲りもせずやってくる保険屋さんなんですが。
保険は私の無事を保証してくれない。普段無事であることが前提だから。
おなじく、
年金は私に老後があることを保証してはくれない。若い私が順当に年を取るのが前提だから。
私に未来はあるが、未来なだけに何が来るのかわからない。
とりあえず、毎朝、目覚めの時「ええと、ここはどこ。私はだれ」
と見当識の確認をする。おそらくパソコンよりもトロいかもしれない再起動時間
の中で、ぼくは、ぼくであることを思い出す。私の記憶が確かなら、
「そう、たぶん、ぼくは昨日のつづき」
---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------
当時の本 『幇間(たいこもち)の遺言』悠玄亭玉介 聞き手小田豊二
(集英社文庫, 本体600円)「たいこもち」ってのは只のお調子者じゃなくて、
知識や芸や、交渉の達人なんだな。いいなぁそういうの。
当時の世 サッカーのユースチームが勝ってるらしい。
当時の私 芸ではなくて独り善がり。独りで善がってはいけません。