Date: Sun, 4 Jul 1999
「生活習慣をちゃんとコントロールすれば、4時間くらいの睡眠でよい」というような話も読んだことがあるが、意志の弱い私なんかは、その何度か起きる1度目や2度目で起きて、そのまま仕事に行くと、午前中と午後と、場合によってはあと数回、意識不明になる。
以前は弱い意志なりに意地も張ったりして、手を動かしていたのだが、それでは、図面や書類に、知らない文字や線が増えてたり、必要な情報が消えていたりするので、最近は意地を張らずに、手を離すことが多い。普段、真面目に働いていない私の所に来る小人さんは、私が眠っている間に仕事を増やしてくれるのである。
眠りの浅い深いと言う話題では、よく、レム睡眠、ノンレム睡眠という言葉を聞く。レムというのは、 R.E.M.; Rapid Eye Movement ということなので、高速で眼球が動いているのであるらしい。寝てる間に眼精疲労してしまいそうだ。このレム睡眠の時は脳の活動が覚醒時に近くなり、夢を見ていることが多いと聞く。夜の間に訳の分からん夢を見てないと、昼間にその分狂ってしまうのかもしれない。
深い眠りと言えば、「泥のように眠る。」などと言うことがある。眠っている泥を私は見たことがない。「この表現は違うのではないか」と疑いはじめると、今夜も眠れなくなる。
「眠りは小さな死である」などと言う人もいるらしい。確かに重体ではないが意識不明である。でも、眠りに落ちる瞬間に走馬灯のようにその日の反省をしたりはしない。それ以前に「死ぬ前には走馬灯のように...」というのも本当かどうか、私は死んでみたことないし、いや、それよりも以前に「走馬灯」の現物を私は見たことがない。 毎日、ちゃんと走馬灯のようにその日の反省をしてたら、私ももう少し真面目な人間になったのかもしれないなぁ。と反省してみたりする。
それにしても、「短時間睡眠」を勧める本に「人生の3分の1を布団の上で過ごしているのって、すごくもったいないと思いませんか」と書かれると、あやうく、洗脳されそうになるのだが、私は、夢を見るのが好きなので、短時間の方が必ず良いというのにも賛成しかねる。
一般に寝グセと言えば、妖気を感じた鬼太郎のようになることを言う。寝る時の癖のことも寝グセと言いそうな気もするし、つい、ウトウトするのも寝グセと言うような気もする。寝グセ防止にナイトキャップを被る人もいれば、ナイトキャップの酒を飲むのが寝グセな人もいる。なんで、どっちもナイトキャップなんだろうなどと考えはじめると、また眠れなくなるのでほどほどにしておこう。
落ち着いて眠るには、人それぞれ決まった姿勢というのがあるだろう。「本来、動物として弱いはずの、おなかを晒して、仰向けに眠れる人は、落ち着いた状態」だという説を唱える人がいる。その説で行くと、肝臓が不安な人は右を下にして横向けに寝るらしい。じゃぁ、頭の悪い人は逆立ちして寝なきゃならなくなる。
眠る体勢ということで言えば、私はしばしば、枕の下に片腕を下敷きにして眠ってしまうことがある。なんでかうちの母親もそうである。遺伝かもしれない(んな訳はない)。翌朝、痺れてしまって、自分の腕ということが判らず、「なんじゃ、この手は」と思うこともある。
抱き枕というのがある。「枕は頭の下に入れるもんじゃ。抱いたら枕やないやろ」という突っ込みをしないでもないのだけど、そういうのがある。私のような不埒な奴だと、怪しげなビニール人形さんのことを思い浮かべるのであるが、そもそもは熱帯地方の植民地で寝苦しいものだから、籐やら竹やら編んで作った抱き枕が出自であるらしい。
それにしても件の製品はオランダの方や、極地観測隊の人に失礼なネーミングである。ソープランドが、前の名前では某国に失礼だと改名したのと同じ理由で、こちらも改名する必要があるのではないか。 そんなことを言うと、夏場の海水浴場に出没する女性のセパレートの水着の名前もいかがなものかになってしまうのであるが...
あんまりセパレ−トの水着の人のことを考えると、それはそれで眠れなくなるので、ほどほどにして眠ることにする。
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当時の本 『楽天のススメ』原田宗典(小学館文庫、400円)そう、笑いがなくっちゃね。
当時の世 梅雨の合間の晴れ間は真夏のようであった。
当時の私 トイレの掃除をいつもより入念にしたら、白く光ってうれしくなった。