(む}How about "about"

Date: Mon, 28 Jly 2003

半年くらい発行してませんでした。気づけば、冬は終わり、春はとうに過ぎ、学校は夏休みになり、浴衣姿の女の人がチラチラ、夏も盛りというほど暑くなく、まぁ、そろそろ梅雨もあけるかな。なんて時期になりました。Mucciです。冷房はいらんっていうか、朝は寒いくらいな気がします。東京電力の供給が間に合わなくならなくて、よいというものです。

自分もしばしば使ってしまっているのに気がついて、ふーっと小さなため息をついてしまう言葉。ちなみに、溜まった息なのに小さいのは、私の肺活量が、落ちたためというのではなく、タンクの容量はもとのままでも、押し出すポンプの力が弱っているからに「ちがいない。たぶん。」

『〜じゃぁないんじゃぁないんですか。』

すこし丁寧風に言うと、

『〜ではないのではないでしょうか。』

になるのじゃないんでしょうか。「〜じゃぁない」のだから「〜」は否定されている。だが直後、さらに「じゃぁない」のだから果して否定されているのだろうか。謎だ。で、「ですか。」と来るということは、こちらになんらかの同意もしくは、判断を求めているように聞こえてくる。

つまり、発言はしてみたが、自分の意見を言っているというより、感想を言ってみて、「そうだよね」と言ってもらいたい「だけ」のように聞こえなくもない。(「なくもない」も、やや断言を避けている。)

反対の反対なのだ。それでいいのか?

少し違うが、

『私って、何々なタイプな人じゃないですかぁ。』

と、言われても、私はそれほど、あなたと付き合いがあるわけでなし、「私は、何々なタイプなんですよ。」と言われる分にはまだ良いですけど、「あの人って、私の嫌いなタイプな人じゃないですかぁ。」いや、あなたの好き嫌いは、よく知らない。

『〜に違いない。たぶん。』

断言しているのか、なんなのか。前半の断言の根拠は、果して、文末の不確定の表現によって、どれほど揺らぐのか。

『できるんじゃないかなぁ』

先に述べた「じゃない」が活用されてしまっているので、少し縮めて、

『できるかな』

ノッポさんとゴン太君は、きっと綿密なリハーサルをした上で、できることを検証した上で、計画された失敗を交えて、実際に、「でっきるかな」とやっていたに違いないのである。「でっきたらいいな」なんて、じっとしていても、青くて丸い二頭身の、あのロボットの、あの便利なポケットはない。そのかわり、青二才が独り。

『〜だけ』

「〜だけすれば、いいだけじゃないか。」と「だけ」と軽く言われても、実は準備や調整や後始末に随分な手間が掛かってしまって、ちっとも「だけ」でない場合がある。うまく自分や相手の許容量を捉えきれないからかもしれない。

一人なら、必ず、「一人だけ」である。もっとも「トイレの個室に一人だけ座った」と言っても、複数人で入る方が、異常事態であるから一人だとしても「だけ」とは限らない。

1万人くらい入れるところに100人くらいでも「だけ」かもしれない。

『〜くらい』

「Aの在庫、どれくらいありますか。」「100個くらいです。」たぶん、90〜110の間に収まる「くらい」なのだろう。「Aの在庫は何個」という質問に対して「100個くらい」が正しいかよく分からない。ましてや、その返事が「88個くらいかなぁ。」では、謎が謎を呼ぶ。

「そこの長さいくつ?」「4くらい」果して、目測なのか、物差しなのか、ノギスなのか、マイクロメータなのかはたまた、記憶の数字なのか。3〜5の間なのか、3.9から4.1の間なのか。3.99から4.01の間なのか、実際には3.8なのだけど、発言は4なのか。円周率は、およそ3である。「んんん、3.9くらい」唸っているうちに計ったのか、思い出したか。

「ご注文は」
「とりあえず、ビ−ル10本くらい。」

このあと、どんどん頼むから10本から始めましょうか。というような意味なんだろうと思われるのだが、「10本くらい」と言われて、こっそり11本持ってこられてて会計が増えてたりしないのだろうか。ま、飲み放題の設定の宴会ならいいか。

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当時の本 『大人失格 子供に生まれスミマセン』松尾スズキ(光文社知恵の森文庫,本体457円+税)
当時の世 そろそろ、夏っぽくなるようだ。路上で干からびたミミズと、 轢死したコガネムシをよく見かける。
当時の私 疲れているらしい。

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