(む}Special guest

Date: Mon, 18 Apr 2005

私はファミレスが苦手である。ファミリーレストランである。なんで苦手かというと、独り暮らしでファミリーを持たないからである。それと幼い頃、ファミレスに行くというのは、我が家では何かの祝い事とかのイベントであり、そのような晴れやかな場であるにも関わらず、父上が、いつも、「うわ、財布忘れて来たわ。誰か人質においてかんと。」と、つまらぬギャグを飛ばすのが常であったからである。

しかしである。ファミリーを持たないからファミレスに行くのが苦手だというなら、なぜ、私はほぼ毎日のようにファミマに行くのか。論理的ではない。

ファミマというのは、ご存知の通りファミリーマートのことである。コンビニというのはコンビニエンスストアの頭4文字で略したものであるが、ファミマの略し方はどっちかいうとスカパーに近い。いやファミマに近いならスカティーではないか。だから、ひらパーの方が近いと言える。なお、ひらパーとは大阪の枚方にある、ひらかたパークという遊園地である。「枚方」と書いて「ひらかた」と読む。

話は戻ってファミマはファミリーマートというコンビニエンスストアである。最近はアジア方面への店舗展開もしている。中国語では全家便利商店と表記するらしい。なんだかそのままである。中国人の人はファミマと略すのだろうか。関西人がマクドナルドをマクドと略し、ひらかたパークをひらパーと略すように。

私のある月の、小遣い帳というか家計簿を見てみると、税金、保険、家賃などを除いた、いわゆる生活費の中でファミマに支払っている額はおよそ40%を占めていた。

なお、他の支出のうち教養娯楽の費目に分類される書籍やDVDは単価が高いため、額ではなく、購入点数や、店舗利用頻度からすると、私の経済活動の8割強がファミマで営まれているのであった。

そこでファミマヘビーユーザーな私は3月にファミマカードを入手したのであった。上得意だからもらえたのではない。単に申し込んだだけだ。緑色のカードにSpecial guestと書いてある。それにしても、コンビニでクレジット払いってなんか、こう違和感があるぞ。と思いながら、ドキドキしながら、カゴに、いつものように、ビールとつまみとタルタルフィッシュロールと豆乳を入れてレジに向かい、いざ、お支払いってとこで、

「カ、カードでお願いします。」
と出すと、レジの人が

「現金ですか、クレジットですか?」

う、ファミマカードはクレジット機能付、ポイントカードなのである。現金でお支払いしてポイントをもらう人も中にはいるのかもしれない。いや、申し込み書に「おにぎり一つから、お財布要らず」とあったが、おにぎり1個をクレジット払いというのは、なにか違和感がある。
「ク、クレジットで、お、お願いします。」

もう商品は袋に入って受け取っている。お店の人が端末にカードを通す。お金を手渡す動作のないレジの時間の進みは遅い。なんだか自分のうしろにどんどん列ができてる気がする。追い討ちをかけるように、隣のレジの店員さんが言うのだ。

「2番目にお待ちのお客様、こちらにどうぞ。」

おつりもないのに、レジのトレーが空き、レシートとクレジット払いの控えがいっしょになった、現金払いの時より倍長い紙と共にカードを受け取った。さらにクーポン券が付いた時には、通常の3倍の長さのレシートを受け取ることになる。学習した私は、次の回から、カードを出すと同時に「クレジットでお願いします。」と言うことにした。たまったポイントは3日後に、店頭端末のファミポートで確認できるとのことだが、私は入手以来、ポイントの引き落としをしていない。パスワードを忘れたのである。クレジット機能を口座引き落としにしてない人の場合は、この店頭端末ファミポートで今までのお買い物分をお支払いするシステムなのだそうだ。それにしても、この店頭端末というのは特典というより足かせという気がしないでもない。

それからというもの、コンビニに用事があってもファミマがあればそちらへ。お支払いはカードでと使っている。私の経済活動の8割はファミマであるから、おつりをもらわない分、小銭入れが軽くなった。

しかし、これには弊害があった。私は精神的に疲れると、端数を計算するのが面倒になって、お札だけだして支払うことが多くなるため、お釣りばかりもらい、よく小銭入れを重たくしていた。それがある意味、心のバロメーターだったのだが、その機能を失ったのである。

そして、ついに3月度のカード利用明細の封筒が届いた。

明細だと言うから、「キリン一番搾り500缶x6」とか「ビールにチーズわさび醤油」とか「調整豆乳」とか書いてあるのかと期待したが、残念ながら、日付と店舗名と、その日のお買い物合計額までであった。

そして、ご利用合計額は41,258円であった。3/8から3/30の実績である。しかしなぜか、5/10の口座引き落とし予定額を見ると、3000円とある。ん?なんで?さらによく見ると、支払い方法のところが、「元利均等残高スライド方式リボルビング払い」となにやら、ヒーローの決め技か?みたいな文句が書いてあった。

しかし支払い方法を変えるにはカスタマセンターに電話するか、会員ホームページにアクセスしなければならない。センターは9:00-21:00しかやってない。とりあえずHPにアクセス。

会員番号を入れろと言われる。クレジット番号のことかと思っているとその左下に小さい字で10桁の数字が書いてあり、ファミマカード番号と書いてある。これか。わかりづらいぞ。そう、ファミマカードはクレジット機能もとりあえずついているメンバーズポイントカードなのだ。

パスワードを聞かれる。う、パスワード、忘れた。ログイン不能。このままでは私はファミマに借りを作り続けることになってしまう。

申込書とその周囲に転がっていたメモ書きを引っ張り出したら、なにやらそれっぽい4桁の数字が酔っ払って書いた字で書きなぐってある。これか。しかし、なにから発想してこの4文字にしたか、皆目、検討がつかない。

ログインできた。これで翌々月の一括払いだ。

私の生活費の40%を占めるファミマへの支払いの、そのおよそ70%はビールとそのつまみである。火・土曜はカードの日である。あまりにベタな駄洒落であるが、対象商品は割り引いてくれるのだ。

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当時の本 『人生は手帳で変わる 理想の自分を手に入れる! 3週間実践ワークブック』フランクリン・コヴィー・ジャパン編(キングベアー出版,定価1260円)で、3月半ばからワークを初めて4日目の「価値観の明確化」 で3日ほど足踏み。さらに、2週目の一日目「目標を設定する」で3週間足踏み。理想の自分はどこにいるのやら。
当時の世 世間のことには疎いままです。ホリエモン騒ぎをよく目にしたか。中国で反日デモ。
当時の私 ぼく、なにをどうしたいんですかねぇ。健康診断の前の日に断酒したら、寝つきが悪く。久しぶりにメルマガネタをその時、下書きした。投資の方はちょぼちょぼです。バンビ頼りの今日この頃です。(バンビ:バンダイビジュアルのこと。バンダイ系のアニメDVDなどの会社)

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