ElevatorDate: Thr, 29 Jun 2006
職場が引っ越して、ずいぶん経つのだけれど、いまひとつなじめないのがエレベーターである。以前はビルの4階だったので、主に階段を使っていたのだが、今は15階なのでエレベーターを常用している。健康のためには階段を使った方がいいのだろうか。いやいや、運動不足解消のつもりが疲れたり身体を壊すと元も子もないなどと、また得意のやりもせずに文句ばかり言うのである。昨今は、どこぞの事故のせいで、普段使うエレベーターの扉が開いた所に微小な段差があったりすると、「ん?大丈夫か?」と思ったりする。 ご存知な方もいると思うが、私は百貨店の類が苦手である。たぶん、なんだか仰々しく買い物するような気分なのと、多くのフロアが女性用な気がするのと、幼い頃に親と一緒に出かけて、お子様ランチを頼みづらかったことのせいではないかと勝手に思っている。そして、ぼくは、何階に何があるのかよく分からないので、もしもエレベーターガールの人がいたりしたら、何をどう言ったらいいのか分からなくて困ってしまうのではという恐怖心の影響かもしれない。今でも上の方の階に行くのにもひたすらエスカレーターでグルグル上がってることが多い気がする。 そもそも、あの箱状の乗り物の中に知らない数人と一緒に乗るのが気まずい。ドアの上の階数表示をつい見入ってしまうのがヤだ。4人しか乗っていないのに、停止予定のランプが5箇所点いている。だれか押し間違えたのだろうか。ある階で止まったのに、誰も降りない、誰も乗らない。 似たような状況に、やや大きな箱状の乗り物バスでも陥る。ワンマンバスで、「次降ります」のボタンを俺が押していいのか。ほんとに、次の停留場が目的地の最寄なのか疑心にかられるのである。バス停で待っている人たちが、一斉にバスの方を見ている。不可思議で怖い。 話はエレベーターに戻る。いつぞや見たマナーの本だと、目上の人と乗る時は、上の人を奥に通して、自分は入り口の側に立ち、出る時は「開」ボタンではなくて、ドアに手を添えるのがいいようなことが書いてあった気がする。ま、それは人を案内する場合だろう。 見ず知らずの人と乗り併せる普通の場合、私はエラくないけど奥に行く。なぜなら、操作盤のそばにいたくないからである。なんでか操作盤のそばの人の多くは、人の乗り降りが終ると、すぐ「閉」ボタンを押す。数秒レベルで急いでいるのだろうか。ほうっておいてもすぐ閉まるのに。たまに、慌てて乗り込む人を挟んでいる。あぶない。かけこみ乗車はご遠慮ください。 たまに非常にゆっくりとしたエレベーターがあったりする。車椅子の人用のボタンがあるエレベータで、車椅子でない人がそのボタンを押した時も、ゆっくり開け閉めする。で、たまたま私がその操作盤の辺りに立つことになったりして、なんだか周囲から「閉めるボタンを押すんだ」というプレッシャーをかけられているような気分になる。気のせいだろうか。 また、降りる時、さっさと降りればいいのに、門番のように「開」ボタンを押して、他のみんなが降りるのを待っている人がいる。あなたが押し続けなくても、たぶんドアは開いている。 さらに困るのは、運行制御のためなのか、「開」ボタンを押している時間が長いと、警報がなるエレベーターがあることである。そりゃ、他の階でこのエレベータを待つ人がいるのに、この階に引きとどめるのはイエローカードかもしれないが、どこか合点が行かないのである。どこかシステムに人が合わされているような。いや、待てよ。みんなでどこか合わせないと機能しないのがシステムかもしれん。赤信号はみんなが止まるから意味があるのだ。しかし、「開」ボタンは、閉まりかけのドアを開くために使うのが本来ではないかと思う。 荷物で手が塞がっている時に、「何階ですか」と聞いてくれる人はいいかもしれないが、何人も乗り込んだ人々にみんな行き先を聞く訳にも行かんだろ。そうだ。必ず各駅停車なエレベーターってどうだ。効率悪いか。 というわけで、私はエレベーターが苦手だ。乗っても操作盤のそばには立たず奥に行くことにしている。しかし、奥に入ると、いざ出る時に、「すみません」「すみません」言いながらゴゾゴソ出る必要が発生するそれもまた得意ではないが、奥にいる。 雑居ビルのような建物の数人しか乗れないような小さなエレベーターを待っていた。ようやく降りてきたと思って、開いた扉の中に目を向けると中ではカップルの人がチューの最中であって。彼氏がこちらをチラリと見たあと、「閉」ボタンを押す、またエレベータは上がっていく。おじゃましました。てか、このエレベータを観覧車かなにかと勘違いしてないか?というわけで、エレベーターは得意ではない。 ---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------ |