(む}Tales of tails

Date: Mon, 4 Dec 2000

風邪でも引いたのだろうか。頭とおなかがグルグルする。髪の毛もクルクルしているが、それは天然パーマのせいであって風邪とは関係ない。パーマはパーマネントの略だそうだが、永久どころか、数日で解けてしまう人だっているそうだ。天パだっていつまでの命か分かったもんじゃない。

聞いた話では、風邪薬というのは、風邪の諸症状を緩和するための薬であって、風邪を治すための薬ではないそうだ。風邪というのは、風邪の諸症状を呈する症候群なのだそうだが、世の中には「風邪のような症状」を前触れとする別の疾患もあるらしい。

喉がイガイガする。きっとエヘン虫がいるのだ、エヘン虫はイガ栗か、ウニみたいな格好をしているに決まっている。虫歯菌の尻尾が矢印みたいで、ツルハシとかドリルを持ってるに決まっているのと同じである。

腹の虫がおさまらないのは、怒っている時であって、腹を下している時ではない。果して腹の虫とは、どういう姿をしているのだろうか。回虫とか、蟯虫とかとは違う。疳の虫(ほう、かんのむしって、こんな字なんだ)と近いかも、でも疳の虫は子供にしかつかないらしいから違うか。っていうか、疳の虫ってどんな姿だ?

永い間、「堪忍袋の尾が切れる」だと思っていたら「緒が切れる」だった。想像の中の堪忍袋というのは、あの想像上の動物「ツチノコ」みたいな形をしていて、ちんまりと「堪忍袋の尾」がついていて、いざという時には、トカゲみたく尻尾が切れて、するとそのツチノコはガゥッと噛みつくのだ。と思っていた。でも実は「緒」だから口をしばる紐みたいなもので、残念ながら、堪忍袋はツチノコではなくキンチャクなのだ。

キンチャクと言えば、やはり、イソギンチャク。これはその昔、私は、「イソギン・チャク」だと思っていたが、「イソ・キンチャク」のことであった。「イソギン」って何だ?「チャク」って何やねん!と言われそうだが、その辺りには頓着しない。「ギン」な辺りが悪者っぽくて、子供心には響きが良かったのだろう。

「おかしら付き」というのは、魚介類なんかの料理で全身があるようなもののことだ。ちょっと気を付けないといけないのが「お頭付き」だから頭がついてりゃいいのだろう、などと短絡することである。「お頭」は、親方とかボスのことだから、師匠をつけてどうするというのだ。「尾頭付き」なんだから、頭だけでなく尻尾もついてないといけない。

エビフライはなんでか尻尾しかついていない。だから尾頭付きではない。フライでなく、グリルで焼かれる時なんかは尾頭だけでなくて脚もついてるケースが多い。しかし、あのエビフライの尻尾。なんのために?持つために?いや、手で食べるならまだしも、みんな箸やフォークを使うなら、あれはなんのためにあるのか謎ではないか。

やはり、鯱(しゃちほこ)の影響なんだろうか。それにしては、エビフライは総じてエビ反りではなくて、どっちかいうと、伸びてるか、やや腹側に丸まっている気がする。輸入食材なんかでも、日本向けのエビは尻尾を残すスペシャル品で、尻尾が欠けてたりしたら外観不良でNGになったりするらしい。

見た目のためなら、食べ終わった時に、ポツンと尻尾が残るのは忍びない。(尻尾まで食べきる派の人なら、キレイになくなるはずだが。)なんとなく、なんでか飾られてるパセリに近いものがある。(これにしても、パセリも食べる派の人には、?かもしれない。)弁当とか寿司折りなんかの仕切りのバラン(でしたっけ?あの緑色のギザギザしたやつ。)なんて、けっこう、プラスチックの似せ物だし、クリスマスケーキに刺さっているのは、遺伝子操作で小さくした樅の木ではなくて、やはり似せ物だ。

今年も12月になった。街をウロウロしてると、クリスマスやお正月の準備の売り場を見かける。もしも、ぼくが年内に年賀状を書いて、投函して、年が明ける前に不慮の死を遂げたら、陳腐な話が一つ出来上がってしまうから、ぼくは年賀状を出さない。ぼくは、俺教(教祖兼、信者一名)のグルなので、異教の祝日を祝うわけにはいかない。

ぼくの臍がどれくらい曲がっていたか生まれた時に切られたらしいので分からないけど、一般に臍の緒はねじれてるものなんだそうだ。電話の受話器のコードと同じ。あらかじめ、ねじれておいて、ねじれによる断線を防ぐためだそうだ。臍の「尾」ではないのは、もう言わなくてもいいでしょう。なお、ネーブルオレンジのネーブルってのはヘソっていう意味だそうだ。ちょっと出ベソ。

---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------
当時の本 『こころの生態系 日本と日本人、再生の条件』河合隼雄、小林康夫、中沢新一、田坂広志(講談社+α新書,780円税別)日本の心は病んでいるか?とりあえず、約1名、私は病んでると思う。「なにもしないことに全力をあげる」って興味深い考え方だ。
当時の世 師走。職場で同じ島で3人も結婚がつづく。ブームなんだろうか。
当時の私 なんか、クラクラする。

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