Date: Wed Dec 23 1998
12月23日は天皇誕生日。もう平成10年も暮れる。十年一昔説を採用するなら、「昭和は遠くなりにけり」ということになる。私はひそかに、「あら、おじいさん、昭和生まれなんだぁ」と言ってもらえるくらいは生きていようと思っている。
小学生や中学生なら、終業式の前後の微妙な位置に、この祝日があるものだからなんとも、もどかしい思いをしているかもしれない。寒い地方だったらもう休みなのだろうか。夏や冬の長期休みの途中に休日があると、なんだか損した気がしたもんだ。それとも元旦の分なんかはすでに計算に入ってるのだろうか。
小さいころは長い休みが楽しみでしょうがなかった気がするが、今、いきなり、2週間とか40日とか休暇をあげようと言われたら。使い途を思いつかなかったり、何か不安になったりするのじゃないかと思ってみたりする。そんなことで自分をして「大人じゃん」と思うのは多分勘違いだろう。
24日はクリスマスイブ。ということで、天皇誕生日はクリスマスイブイブである。そんな言い方をするのは日本の若人だけだろう。なんだか祇園祭の宵宵山のようである。クリスマスと誕生日の近い人は、しばしば、お祝いのパーティーが合併されてしまって、1回で済まされてしまって損した気がすると言っていた。
天皇家でもそうなのだろうか。神道のおうちだから、クリスマスイベントはしないのだろうか。宗教的に無節操な日本国民の象徴だからそれくらいはするのかなぁ。でも、外国の要人と一緒にパーティーするようなことならするかもしれないなぁ。ま、今の天皇がお子様だった頃は、クリスマスを祝おうなんていう時代じゃなかったんだろうな。
私が小さい頃の我が家では、クリスマスプレゼントをやったら、お正月のお年玉はなし。というトレードオフがあった。クリスマスは家でやって、正月に親の田舎に行くと、親戚にお年玉をもらえるので、その限りではなかった。
あいかわらずやってくる保険のおばちゃんに、「お正月は田舎に帰るの?」と聞かれて、実家のある辺りより、今の職場のある辺りの方がよっぽど田舎だと思う。
今住んでいる所の回りは、どうやらエエとこのお家が多いらしく、自宅の玄関や庭の木にクリスマスの飾りつけをしていて、私が仕事から帰る時間にはキラキラとライトアップされていてキレイである。
「誰々君のうち、クリスマスの飾りつけしてたよ。」「よそはよそ。うちはうち。」実家の店でもクリスマスのケーキやら七面鳥やら鶏やらの季節物商品の予約分の配達があったから(一体、君んちは何屋さんやねん)、それらの箱が積んであったのがクリスマスの飾りではあった。配達が終わって最後に残ったひとつの箱が、我が家の分だった。
この季節になるとピザ屋の兄さんも例のサンタのコスプレをしてスリーターを走らせている。あの赤い服は、昔のコカコーラの戦略によるものが定着してしまったものらしい。ドリンクはコーラのペットボトルなんだろうか。
クリスマスはキリストの降誕を祝う日なんだそうだ。いわゆる西暦というのはキリストが生まれた年を西暦1年とする数え方だ。原点が0年じゃないから、近頃話題の世紀末が1999年か2000年かという話の発端になるのだろう。
ぼくは、ここ20年くらい、「じゃあ、なんでクリスマスイブが大晦日、クリスマスが元旦、と同じ日じゃないんだろう」という謎を抱えているのだが、どうでもいいので、特に調べないままクリスマスパーティーをしない人になってしまった。
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当時の本 『一日江戸人』杉浦日向子(小学館文庫, 552円+税)コテコテな関西人な自分もなんだか江戸っ子気質があるような気がした。でも、あんまり遊ばないので、宵越しどころか年越しの金がある。
当時の世 Xmasを私は「ペケマス」あるいは「苦します」と読む。
当時の私 夢の中でも仕事をしているかと思うと、仕事中に夢を見ていたりする。