[*]Recycled Paper

Date: Sun, 24 Nov 96

まいどお騒がせしております。廃品回収の村上商会です。古新聞、古雑誌などございましたら・・・もうエエて

この度、私は職場の所在地が変わりました。自分の住所は変わりません。

さて、今回のお題はRecycled Paperです。なんで、こんなことが気になるのかというと、今度の引っ越しのせいで、私の名刺はほとんど使われることなく終わってしまうからです。名刺にはしばしば、「Recycled Paper」とか「この名刺は環境保護のため非木材紙を使用しています」、「この名刺は再生紙を使用しています」「古紙含有率70%再生紙」などという文句が小さいけどハッキリと書かれていることがあります。

この控えめなつもりの主張を見ると、私は苛立たしくも苛立てない大変もどかしい気分になります。言い換えると何だか気恥ずかしいのです。雑誌などが最後のページに「70%以上再生紙を使用しています」と書いてあるのはまだ許せるのです。紙を大量に使ってるんだし、その外の情報量も多いから。でも名刺はあの小さい紙片に限られた情報を乗せているだけなのに、所在地や電話番号と変わらない文字数で妙な主張をされると、「あのさぁ」と思ってしまうのです。

いい加減な環境保護の主張はやめようね。恥ずかしいから。そもそも、自然環境の方が存在が大きいのだから、小さな存在の人間が自然を保護しようなんてのがおこがましいんだな。せいぜい「いつもご迷惑をおかけしています」と気を使う程度が関の山なんじゃないかなぁ。

それとは別に、 自分の名前が入っている紙を大量にごみ箱にほりこむのは何となく気がひける。リサイクルというのは再循環ってことだろうから、ぼくのこの未使用名刺を本当にリサイクルするにはごみ箱よりも古紙回収箱に入れるべきか。シュレッダーにかけるなんて、それこそ身を割かれる思いだ。うむ、弱った。いや、人によってはそんな弱るような問題ではないであろうことは推測されるのであるが。ぼくは未使用率95%以上の用済みの名刺の束を眺めながら、この文章を書いている。

---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS---------------------------------------
当時の本 『発言者たち』清水義範(文春文庫, 420円)発言したがる普通の人という存在を追う。ひょっとして、ぼくのMONOlogueのことですか。
当時の世 清原は巨人に入るらしい。
当時の私 職場の所在地が移転した。家じゃないんだから住所とは言わないだろうと思う。

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