(む}I want to tell ...

Date: Mon, 07 Jan 2002

時折、思い出したように「外国語できたらいいなぁ。」と思う。思い出したようにと書いてみたが、外国語を思い出すわけではない。思い出すには、まず、身につけて、さらに忘れなければならない。これは、なかなか身につけるより手間暇かかることである。

外国語などと書いてみたが、要は主に英語のことである。そういえば、某英会話教室のCMで、外国語を話す日本人、日本語を話す外国人、外国語を話す関西人、関西弁を話す宇宙人。なんてオチのがあったな。ネイティヴ関西人の私は、実際、神奈川県在住中国四国地方系関西人二世なのだけれど、この頃、自分の関西弁があやしい気がする(でも、ま、こっちの人のニセ関西弁よりは、関西テイストだと思っている。なお、関西テイストというのは、別にお好み焼きとかたこ焼きのことではない)。ま、もともとあんまりコテコテなシャベリはしていない。関西弁を「なおして」る関西人である。某百貨店のCMでは、あやしいクマが、「お、買い物、お買い物、うーーーナンボ!」などとベタな駄洒落をかましている。

他に外国語はと言うと、んん、一応、大学生の時は第二外国語で露語を取ったなぁ。でも、とりあえず文字の読み方覚えてるのと、ズドラストビ−チェ。スパシ−バ。パジャルスタ。ハローショー。とか、ボリショイって、大きいという意味だったのだ。ってのと。ダスビダ−ニヤくらいか。あと、おやすみはスパコイノイノーチだっけ。なんか、ほとんど挨拶だけだな。

じゃぁ他の言葉は?って言っても、ジャッキーチェンの映画見ても、広東語は身につかなくて、石丸博也(ってか、マジンガーの兜甲児って言った方がいいか)の吹き替えしか聞いてないし、エマニエル夫人見ても、シルヴィア・クリステルをフランス語の先生にするんじゃなくて、ゾワゾワしただけだったりする。

んん、英語できたらいいなぁ。と思うのだけど、できて何するかというと、ま、目先は、映画見たら台詞聞き取れていいかな。みたいな。ってか、あの喜劇でSE(Sound Effect)の笑いが入るタイミングで笑えないもんか。みたいなね。って、俺、めったに映画なんて見に行かないや。よく、教材なんかで、「レストランで注文する」シーンなんてケーススタディがあるけど、俺、レストランなんて、行かないや。そういや、某スキー用品のCMで、いつもスノボーの格好してる彼氏が出てきたが、私は、なんだか冬になってウインドブレーカー着てるだけで、年中同じような格好してる気がする。着たきりすずめ。

読み書きならば、まだ、なんとかなると思う。どうしても分からなきゃ、辞書引けばいいし、あわてて返事しても、向こうは時間帯が違ったりするし。こと、電子メールに限ったコミュニケーションで言うと、あわてて返事を送信せずに、とりあえず書いて、一日くらい寝かした方がいいような気もする。一日寝かす。寝て起きたらネタはそのままなのに、私が書き手から読み手に変化するからである。お急ぎの場合は、とりあえず返事投げちゃって、あちゃーっとフォローの自己レスって手もあるけどね。でも、俺、英語で「あちゃー」っていうフォローの仕方知らん。

さて、語学に戻りましょうか。「学」っていうのもおこがましい。だって、修めてないのだから。少なくとも、私の部屋にはダンボール一箱分の英語関連の本があって、その99.99%は身についていないのである。まだ修めてない私が偉そうに言ってもなんだが、私は無駄を愛すのである。なんて、ウソ。うまくやれないだけなのだ。

たいがいの本は、それはそれなりに結構の手間を毎日かけなきゃならんわけで、毎日、何分だか何時間だか聞くとか、復唱するとか、音読するとか、多読するとか、読んでる途中で、「そんな手間、かけてられんやん」と思うのである。別に普段の仕事や生活の必要に迫られてるわけじゃないし、矢部太郎じゃないんだから、番組上げてバックアップ?されて勉強部屋に篭るわけじゃなし。でも、押入れからT部長出てきたり、玄関開けたら外国だったりしたらやだなぁ。

考えてみれば、こと、私の場合、日本語でも会話というものが、そもそも不足している。一人でいることに慣れた私は、先日、帰省した折り、同じ部屋に他の人がいて、しかも会話を仕掛けてくることになんだかストレスを感じていたのだった。

以前に、某英会話学校に通おうとしたこともあるが、一日目に行った時に、なんだかその場になじめなくて行かなくなった。私は本質的に会話に向かないのかもしれない。所詮、独り言を言うだけの人なのかもしれない。せめて独り言通じるくらいに学ぶか。

人は五感で感じるというが、では、自己表現というのは?と思うと、「表現する」というのは、動くことではないか。静かに自分の存在だけで語るだけの力はないし、では動くのは筋肉で、言語も舌なり指なりの活動によってもたらされた伝言ゲームで。人の耳を目を通り、意識は誤解し、それでも、伝えないと分からない。分からないまでも、分かった気にならないと動けないのが人なんじゃないかな。と思う。

でも、もっと、なにか言いたいことが言えないのに表せないもどかしさのようなものは、外国語でなくても日本語でも日々感じるわけで、せめて表現する手段くらい持っていてもいいのじゃないかな。なんて思ったりするのである。で、誰に表現するんだっけか。

---MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS------------------------------------
当時の本 で、英語関係の本ってことで、
『脱・「英語人間」』遠山顕(生活人新書,本体640円(税別))
英語人間の鎧ってつまり、日本人の英語感ってことかな。ま、NHKの英会話講座の先生でさえそうなのか。
ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本』向山淳子・向山貴彦、絵=たかしまてつを(幻冬舎,1300円+税)
 んん、英語の授業より、なんだか入ってくる気がする。ま、今まで、まがりなりにも英語習ったおかげかもしれんけどね。「知識」としてというより「感じ」として入ってくる感じ。

当時の世 正月ボケでなくて、ほんとに世間のことわかってない今日この頃。少なくとも、終末でも世紀末でも新世紀でもない普通の年が明けたのだと思う。七草粥は食べ損ねて、ものぐさ粥(ってかつまり、白粥)。

当時の私 新年明けたけど、気力があんまりありません。ないなりに、持たすのが今年の課題ってことで。

当時のDVD いや別に、新企画じゃないのだけど、本以外に散財してるのはこれだし。みたいな。
『G-SAVIOUR フルバージョン』(バンダイヴィジュアル,6000円(税別))いわゆるガンダムをモチーフにした日米合作の実写+CG。しかしなんだね。これ見ると、日本の『ガンダム』ってストイックというか、倒錯してるというか。っていうかアメリカ製だとなんだか愛情表現が過剰な気がするね。
『バンパイアハンターD』監督:川尻義昭、原作:菊地秀行、キャラクタ原案:天野喜孝(エイベックス,5800円(税別))以前にアニメ化された時はTMネットワークの「YOUR SONG」が主題歌でしたね。今回の主題歌はDo As Infinity「遠くまで」。って本編英語やん。片言しか通じない私には異世界感ばっちり、なんちて。でもラストにはなんかジーンときた。
『サトラレ』監督:本広克行、主演:安藤政信(バップ,税抜4,800円) サトラレとは乖離性意志伝播過剰障害。思ったことが口に出さなくても周囲に筒抜けになってしまう人。彼らはもれなく天才であるため、政府は国家的財産としてサトラレ自身に、自分がサトラレであることをサトラレないように保護していた。「あの子は、普通の人より、ちょっと声の大きい、正直な子なんですよ。」たぶん、人々は「自分」という特殊能力のために、日々、世界に支えられながら生きているのではないか。そして、自覚するしないにかかわらず、正直という作戦はどこまでいけるものなのか。いわなくてもいい真実はあるのか。というか、マンガっていう構造とか、字幕とか、脚本ってつまり、サトラセ。だよね。

目次へ戻る