[*]もぐりの医者

Thu, 15 Nov 1998

私の脚は、O脚気味である。だから、靴底の外側が結構減る。貧乏症なので、なかなか靴を新調しないので、著しく外側の減った靴にあった歩き方をしてしまっているらしく、いざ、おNEW(死語)の靴を買うと、足のアラインメントが妙なことになって、膝が痛くなってしまう時がある。

O脚を直せば良いのかもしれない。と、ゴムバンドで脚を縛り付けて寝てみようかと思ったが、寝る時に締め付けるのは、なんか夢見が悪そうだし、もしもの時(どんな事態だ?)逃げ遅れるとまずいので止めた。

貧乏性がろくに靴をそろえず、一足をひたすらはいて履きつぶすのであるが、けっこうボロくなっても、「まだ、靴底を治せば履けるかも」と思ったりして、今回購入したのが「シューズドクター」である。

製造元がセメダイン社であるから、要は基材がゴムのパテみたいなもんだろう。ちなみに、大阪のオバチャン的表現では、接着剤だったら、なんでも「セメダイン」と呼ぶ。但し、瞬間接着剤は「アロンアルファ」である。

擦り減った靴底のかかとの外形に沿って、プラ板で壁を作り、その壁と靴底の間に、このシューズドクターをニュルニュルと出して、欠けた部分を補完する。粘度が結構強いので、ヘラで成形しようとしても、なかなかうまくいかない。硬化後の追加工が必要なようだ。

普通のパテでもそうなのだが、一度に大量の肉盛りをすると、硬化した時、厚肉な部分に肉ヒケが出る。私の靴のかかとの外側は
かなり擦り減っていたので、ちょっと大量に盛り過ぎたようだ。ヒケている。

かくして、もぐりの医者による靴の手術が行われたのであるが、ブラックジャックを気取るには、私の若白髪はあまりまとまって生えてないし、手術の腕もいまいちだ。顔面に縫い目を書いてみたところで、うまくいっても大槻ケンヂである。

薮医者の手による靴の履き心地はこれから確認することになる。なんだか、靴が「老体に鞭打つな」と言ってる気がしないでもない。

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