眠れない夜のために

もう10年くらい経つだろうか?どうにも眠れなくて困っていた時期がある。
お酒飲んで寝るよりはいいんじゃない?と言われて睡眠薬を飲み始めたのであった。
寝酒を飲むようになったのは、確か、阪神大震災のあとくらいに眠れなくなって(自称PTSD)、母から「お酒飲んだら眠れるんじゃない?」と言われてからだったと思う。と母のせいにしてみる。

睡眠障害というのは

寝つくのに2時間以上かかる入眠障害
夜中に2回以上目が醒める中間覚醒
ぐっすり眠った感じの得られない熟眠障害
朝2時間以上早く目が醒めてしまう早朝覚醒
などの訴えのどれかがある

この様な不眠の訴えがしばしば見られる(週2回以上)少なくとも1ヵ月間は持続する

不眠のため自らが苦痛を感じるか、社会生活または職業的機能が妨げられる。
の全てが当てはまること

ということになっている。

ストレスなどで一時的に眠れないのは当てはまらない。

当時の私は、それから数年間、素人として知りえる限りの睡眠導入剤を試してみたが、どれ一つとして、これが効くというのはなかった。その間に都合3回、うつ状態という診断で休職していた。

なんやかんやありまして…
今でも眠れてないけれども、最近の私は眠れなくても困ってなくて、寝不足でも無理をせずに仕事するし、生活上困難があるわけではないので、睡眠障害ではないのだろう。ひょとしてショートスリーパーなのではないか?と思ったりもする。

今でも、夜中に何度も目が覚めるし、朝「寝不足だなぁ」と思うことはしばしば、起きる時はアラームはセットしているが、いつも鳴る前に目覚める(たまに、そのあと寝落ちして完全に遅刻する。)

認知療法や行動療法的なアプローチも試したこともある

私淑する養老孟司先生は、確か、何かの本で書いていた。
・明日も仕事をするんだと思えば眠れます。
・眠れなければ、その時間、何かを出来るのだから眠らなければいい。
・人の身体は一睡もせずに何日も生きることはできない。
・眠れなくても、いずれ永遠に眠れるのだから心配する必要はない。

うつ状態の時にお世話になったカウンセラーさんの話だったか
・自律訓練法や瞑想などを試してみる
・寝る一時間くらい前にお風呂に入る。
・お風呂でザブンと頭が漬かるくらい潜ってみる
・眠れなくても目を閉じて横になる。
・眠る時間、起きる時間を決める。早く目覚めても、決めた時刻まで起き上がらない。
・途中に目覚めても時計で時間を確認しようとしない。
・部屋を暗くする
・頭の疲労に比べると身体を使ってないので軽い運動を生活に取り入れる。

当時はホントに病んでたのだろうから、そんな意志の力が通じるわけもなく、最近とみに思うのは、意志を使わない仕組みを作るのが良いように思うのだ。

そんなこんなで、私の最近の実感としては、入眠障害については、かなりの改善がみられている気がするので、いくつかその小技を紹介したいと思う。

・シャッフル連想
寝る時の雑念が入眠を妨げてしまう時もある。
ほんとに考えないといけないネタがあるなら、無理に寝ないで、起きて考えるのも良い。脳味噌が興奮して寝付きが悪くなるケースもあるが、適度な脳疲労で眠れる時もある。
シャッフル連想は、例えば、あ、い、う、え、お 等で、あで始まる単語を只管、連想するのだ。「あ」が思いつかないなぁと感じたら、捻りだそうとせずに、すぐに「い」 に移行する。いつも「あ」からじゃ詰まらないので、「さ」から始めても良い。自由連想では潜在意識の悪いこだわりになるが、シャッフル連想では条件拘束して頭を使う。これが不思議と呪文のように脳味噌がそのうちシャットダウンするのである。羊を数えるよりも圧倒的に効く。

・枕元にスライス玉葱
イギリスだったかの民間療法であるらしい。料理に使う時に、玉葱をカットすると目に沁みて涙が出そうになるあの成分。あれが入眠に効くのだ。目に沁みるから目を閉じるという理由でなく、あの成分の匂いを嗅ぐと脳の中の反応を穏やかにするアロマ的な効果があるそうなのだ。私は小さい玉葱を4つに割って器に入れて枕のそばに置いている。使った玉葱は料理に使う。切り口をかえれば2回くらい使えるが、干し玉葱になってしまう。

・ネックガードを着ける
首を温めるというより冷やさないということだろうか。あと、肌触りの良い生地が首に触れていると、心地よくて落ち着く効果もあると思う。マフラーやストールだと少しごわつくし解けるし締まるし、ハイネックのシャツは寝る時には窮屈だから、首だけの軽いネックガードが良い。
リカバリーウェアなどで有名なベネクスというメーカーのネックガードを私は好んで使っている。寝る時以外でもデスクワークなどでも使うと首の凝りや気分が楽な気がする(気のせいでプラセボ効果でも良いのだ)

・アイピローを乗せる
アイピロー…目枕である。枕といっても下に敷くわけでなく、閉じた瞼の上に乗せるのだ。日本の民間療法起源らしい。目枕でなく頭の下に敷く枕も蕎麦殻などの代わりに小豆を詰めたのもあるらしい。小豆でなくて、樹脂でレンチンして温められたり、冷蔵庫で冷やしたり出来る物も多い。
瞼の上に軽い重しが合った方がリラックス効果があるともいう。
あんまり動くと顔の上から落ちてしまうので、身体の動きが抑制されて落ち着く効果もある。寝付いてしまって寝返りで落ちておそれは構わない。

・ホワイトノイズを流す
雨だれや波の音、風の音、あるいはテレビの放送終了時の砂嵐画面の音
その手のホワイトノイズはリラックス効果がある。
スマホやスマートスピーカーから音源を鳴らしながら眠るのも良い

・寝ながら英語を聞く
睡眠学習を狙っているわけではないが、日本語だと意味がストレートに入ってきて、話題に夢中になって眠れないかもしれないのだけれど、英語を流していると適度に頭を使いつつ、適度に分からないので、先に述べたホワイトノイズやシャッフル連想に近い感じになるのだと思う。英語が堪能な方には効かないかもしれない。私には効く

これらの小技を使って、最近の私は、とても寝付きが良い。ま、2時間くらいで中途覚醒してしまうのだけど。

あと、最近思うのは、睡眠時間の記録と、自分の気分をモニタリングして、自分に必要な睡眠時間が分かれば、「しっかり眠らなければ」「7時間睡眠が必要と言われているし」なんて意志の力を使うよりは楽に過ごせるように思う。

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