A sense of direction あさっての方向

背後からTさんの声がする。「物知り博士、質問。」振り返るときに、「誰が桃尻やねん」とボケようかとコンマ3秒くらい考えたけれども、

  1. ここは関西ではないこと。
  2. 私は寛平ちゃんではないこと。
  3. その他、諸般の事情

を鑑みて、ボケないことにして、冷静を取り繕って「何ですか?」と聞く。

言うまでもないことだが、この時、やはり、「な~んでぇ~すか~?」という懐かしのナンデスカ?になる可能性もコンマ1%以下の確率で起こりえたのだが、

  1. 私は明石家さんまさんではないこと。その上、私はタケシであること。
  2. コンマ1%以下は誤差範囲であること。
  3. その他、やむをえない状況

により、もう秋なのに、頭の中に冷房をかけ、冷静を装う。

何度も言うのだが、私はけっして物知りではなく、人から何か聞かれた時に、それよりも先に辞書やら書籍やらでたまたま読んだことがある内容だと、喜んでウキャウキャと説明するだけで、知らなかったら、黙って、借りてきた猫のようにおとなしくじっとしている物知らずの無智である。

話題は「はすに構える」というのはどういう意味か?であった。

そう、「はす」というのは「斜」のことで、これをどうして、「はす」というのかまでは知らない。ただ、正面を向かず、斜めに構えるような感じ。社報で会社の偉い人の写真なんかで顔はこっち向いているけど、体はちょっと横に向けたような感じ。のことかしら?と思っていた。

いい意味のような気もするし、でもどちらかというと、面と向かって相手してないから、ふざけてる。気障な。てな感じでネガな意味合いの方が強いかなぁと思っている私であった。

ありがちな展開だが、広辞苑によると、

斜に構える しゃにかまえる
剣道で、刀をななめに構える。転じて、身構える。改まった態度をする。また、正面から対応せず、皮肉な態度をとる。

とある。うむ、良くも悪くもある。

上級な人だと、剣先や柄の微妙な動きで相手を見切れて、「勝負あった」になるらしいが、こちとら、大学の時の体育の授業でクラス分けジャンケンで負けて、床が冷たいとか、防具がくさいとか、あまりいい思い出がない剣道の話は良く知らない。

斜に構えたようすが、洒落て見えるか、気障っぽく見えるかは、多分にご本人およびお相手のセンスによるだろうし、真正面から当たるより、角度をつけていなした方が、うまい当たり方であることだってある。

単に、「斜に構えてる」と単体で使うと、どうもよろしくなさそうである。斜に構えていて、様子がいいとか、格好いいとか、お洒落だとついてはじめていい意味になる言葉なんじゃないかなと思う。「かっこいいね」と言っても、「素敵だ」という意味もあれば、「ええかっこしいだ」という意味にも取れるようなものか。

先の肖像で斜に構えてるのは、前方投影面積を小さくして、肩のラインをおだやかに見せ、ソフトな印象を与えるのではなかろうかと推測する。

広辞苑では「しゃにかまえる」とあるので「はすにかまえる」よりはそっちが正解なのだろうか?でも「はす」の方が「しゃ」よりも粋な気がするのは私だけか。

—MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS————————————
当時の本 『わたくしだから』大槻ケンヂ(集英社, 本体1300円+税) ぼくは、オーケンのように、プロレスやオカルト方面の知識はない。でも、電車の中で読んでて、思わずクスクス笑ってしまった。不覚。なんというか妙なたとえの数々がボディーブローのように効いて横隔膜がふるえるのだ。


当時の世 横浜ベイスターズ優勝。
当時の私 わからないことがあると、人に聞けば早いのに、自分で調べてみたりする。ひょっとすると、ある意味すでにナンデスカ?である。ネタにつまると、つい、言葉の解説になる。いまだ、辞書を読了したことがないので、当分その手に走ればネタ切れにはならないと思うのだが…

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