Toooooooooo HOT!! うだるような

「うだるような暑さ」というのはこのことではないか? と思う今日この頃です。例によって、ネイティヴ日本人であるけれど、日本語にさほど自信がない私は、「うだる」を辞書で引こうとするのですが、別に引かずとも、この感じこそが、「うだる」に違いないと思うわけです。

「うだる」という字面だけで、すごく暑そうです。苦しそうです。「う~」とか「だ~」とか言いそうです。なんだか目の前の空気が揺れて、地面には逃げ水の幻影が見えるような、そんな感じです。と暑さのために、動作周波数が低下した脳味噌を収納した頭を肩の上で支えながら、ぼくは町中を歩くのでした。

言葉では表せないこの感じを、無理に言葉にすると「うだる」なのだ。多分。絵にも描けない美しさの龍宮城の絵の入った浦島太郎の絵本もあるくらいだから、そんなもんでしょう。て、例えになってないか。ちなみに、この文章は冷房を効かした自室で書いているので落ちついて辞書を引くと

うだる…茹だる。1.ゆだる。2.暑さのためにぐったりする。

とある。つまり茹でダコの気分ということになる。いわゆるウダウダ言うとは関係なさそうです。

7月5日には埼玉越谷で40.2度を記録したそうで、7月の記録としては、64年ぶりの猛暑だそうです。母の妹、言い換えると私の叔母が越谷に住んでいます。その叔母から、母のところに「ねえちゃん。どうしよ。40度だって」とおそらく冷房の効いている部屋からかけているであろう電話がかかってきたそうです。「どうしよ」と言われても、さすがの叔母の姉こと、うちの母も気象のコントロールまではできないだろうと思います。

せっかく手に入れたデビュ-ことINTERTopの動作保証温度は35度までらしいので部屋でお留守番になるのでありました。もっとも、町中で携帯電話を使ってる姿は、その普及率も手伝って、さほど違和感も感じられなくなった昨今ですが、携帯端末のキーボードを町中でぽちぽち打つ姿は、おそらく奇異に映るので自粛したというのが本当の所です。

 俺時々僕ところにより私
俺時々僕ところにより私
http://muccitexi.com/1997/08/03/it-is-it-fujitsu-intertop/
I, My, Me

ネタ集め用に持ち歩いているコンパクトカメラ (TIARA)のボディーはアルミ合金製なので、このような暑い日に、ストラップを持って剥き出しでプラプラさせているとポカポカで済まないレベルまであったかくなります。中のフィルムは無事なのでありましょうか。

私、お洒落な街の似合わない男として日本で五本の指に入るのではなかろうかと思っています(日本一だと言い切ってしまわないところが謙虚ですな)が、ちょっと思うところがあって渋谷に行ってみました。思うところというのは、あの台風の日におっちゃんを看板が直撃した現場はその後どうなってるのか見たくなったからです。

予想以上に老朽化していたとのことで、人災の面も否めないそうです。当事者でないものとしては、おっちゃんには御愁傷様ですとしか言いようがありません。顔を失ったセンター街はなんだか締まりがなくなって見えました。まぁ、もともとルーズな人々が多かったので、締まりはなかった気もします。

あんまり暑いので、ハチ公の側の木陰で一休みしようか。とも思いましたが、ダサダサな私がハチ公前に行ったのでは、「久しぶりに東京の友人を訪ねてきて待ち合わせ中のお上りさん」の図になってしまうので、あきらめるのでした。

それにしても、いかに暑いとはいえ、お肌の露出度の高い女の人が多い。無論女の人に限らず、男の人も露出度高いのですけど、どっちか選べと言われれば女の人の方が好きな私の目はついつい、そちらを向くのでありました。

しかし、遺憾ながら、女好きとはいえ、腕は肘まで、脚は膝までの露出にしか耐性がないので、肩に止まらず、胸や背中の大きく開いた服や、膝より上までおみ足をお出しになっている方や、どう見ても水着にパンツやスカートを、コーディネートしてみました、という風に見える人を見かけると、「ここは、海水浴場ちゃうぞ。こら~街の中ぞ~!!」と吠えそうになるのでした。でも、「暑けりゃ脱ぐ」ってのは身体に正直でよろしい。

さて、ここで解説。「おみ足」というのは漢字で「御御足」と書きます。見た通り「足」に対する尊敬語です。「御」を重ねて、なんだかバカ丁寧な感がないではないですが、やんごとない方々の間で使われてた言葉の類でしょう。「味噌汁」のことを「おみおつけ」などと言ったりしますが、あれなんかは漢字では「御御御付け」ですから、なんだかシュールなギャグのような趣があります。

前後左右、どちらを向いても肩背さんや胸肩さんがいっぱい。上を向いたら、凶悪なまでに澄んだ青空と、凶暴なまでにまぶしい太陽がいる。しかたがないので、ぼくは、目線のやり場に困って下を向く。
「下を向~いて、あ~るこ~ぉぉぉう。何かが~拾え~ますよ~ぉぉぉに」
そのまま、地下鉄半蔵門線渋谷駅に下りてゆく。乗ってしまえさえずれば、東急田園都市線に連絡してるはずだ。

車内の冷房になじむまでの間、まさにこれこそ「玉のような汗」のお手本という感じで吹き出る汗。全身から放射する熱気。こんな私を、さらさらの肌を保ったノースリーブの女の人は一番忌み嫌うに違いない。頼むからそばに乗ってこないでと祈りながら、おもむろに文庫本を開く。

本の内容なんてまったく頭に入らずに、「車内冷房よ。早く僕の身体の火照りを鎮めてくれ。この火照りは太陽のせいなんだ。べつに通りすがりの人に惚れたせいではないかんね!」と念じるのであった。

—MURAKAMI-IN-THOSE-DAYS————————————
当時の本 『ふき寄せ雑文集』岸田秀(文春文庫)岸田先生の文章はおもしろいのだが、神経症の症状の一つでもあるから、こちらのコンディションによっては、読んでてクドイなぁと思うことがある。


当時の世 暑い暑い暑い
当時の私 デジカメ買った。RICOHのDC-2E

 

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