Legend of 3cm panties お姉さんは3cmパンツ

小学生の時に、おしゃま(って、死語になりかけてますかね)でおしゃべりなクラスメイトの女の子が言った。
「ねぇ、ねぇ、聞いて、聞いて、うちのお姉ちゃんのパンツなぁ、横が3センチしかあらへんねんでぇ。」
「何~!?」と、早速、机の中の道具箱から定規を取り出して、3センチとは、いかほどであったか確認する。「せ、せまい。」とりあえず、その日から、
「お姉さんは横が幅3センチしかないパンツを履いている」
というのが第一公理となった。

家に帰ってタンスの引き出しを開けて、自分のパンツに定規を当てる。3センチと言えば、上のゴムの幅くらいだ。「そんなものでパンツと言えるのか?」謎は深まるばかりであった。机の中の道具箱からハサミを取り出す。ジョキジョキと切る。横をゴムだけにする。家庭科と図工の才能にはちと乏しいので、裁断したあとゴムも入れるなどという発想はない。当然、すそはユルユルになる。試作品を履いてみる。「いかん、これではナニがはみ出てしまう。しかし、お姉さんにはナニは付いてないに違いないから、いい感じなのかもしれん。」と思った。せっかくお母さんが買ってくれたパンツを切り刻んだことに、うしろめたさを感じつつ、そっと試作品を捨てた。

それから数年後、近所のおしゃべりなおばちゃんが言った。
「なぁ、なぁ、たけし君知ってる? 女の子は大きなったら、こんな横がヒモみたいなパンツ履くねんでぇ」
横がヒモなパンツを母親に買いに行かせる娘も娘であるが、それをあかの他人のぼくにレポートする母親も母親である。その日から
「年頃の娘は横がヒモみたいなパンツを履く」
というのが第二公理となった。

その頃、とある筋から入手したエッチな本にはエッチな格好をしたおねえさんがいっぱい出ていた。時代が時代なのでヘアヌ-ドはなかったのだけれど、しどけなく横がヒモみたいなパンツの蝶々結びがほどかれている写真が出ていた。「何~、あの蝶々結びは固結びの上に飾りでついてるんじゃなしに、自由端の方を引っ張ったらほどける、正真正銘の蝶々結びなのか? それじゃ、通勤通学途中にほどけだしたら、どうするんだぁ~」冷静に考えれば、あれはエッチな本だからエッチな格好をしているのであって、普通の人が普段に横が蝶々結びのパンツを履いているとは限らないのであるが、謎は深まるばかりであった。

パンツの上から水着を着用したのち、水着の裾からパンツを引っ張りだし、ニョ-ンと引っ張って伸ばして無理やり足を通し、水着の下からパンツを抜き取るという、縄抜けのような着替え術を試みた男子児童は、全国で100万人を下らないと思われる。伸ばされることよるパンツのゴムへのダメ-ジを考えると、かなりリスキーな技だ。何もそんなことしなくても、バスタオルを腰に巻くなり、堂々とスポーンと脱いで履き替えればいいものを男子児童はうれしがりだから、そのけったいな(へんてこりんなの意味)技を披露したがるのであった。話に脈絡がないが、横が蝶々結びのパンツだったら簡単だったのではと思っただけである。

それにしても、プ-ルや川や湖で泳ごうとも、水着のことを「海パン」と言って憚らない人がいた。まぁ、それを言うのなら風呂場で使うのでもないのにバスタオルだし、プールで履いてもビーチサンダルである。話が逸れたついでに謎が深まってしまった。

さる筋から、「どうも、女の履くパンツはパンティと言うらしい。それに特に小さいやつはスキャンティというらしいぞ」「パンツと言う場合は我々の言うところのズボンのことらしい」「いや、ショーツというのがほんとらしい。」という情報が流れてきた。そういえば、いとこの嫁さんからもらったパンツをみた母が「こんな小さいパンツ、わたし履かれへんわ。」と言っていたのを思い出した。いとこは母のきょうだいの長男の息子で、母はきょうだいの6番目なので、いとこの嫁さんの歳は、ぼくよりも母の方が近い。まぁそんなことはどうでもよいが、きっとその小さいパンツがスキャンティというやつに違いないと思った。「”ティ”が軟派だ。”ツ”でいいじゃないか。」と訳もなくもどかしくなった。

ちなみに、”scanties”というのは「わずかな」という意味の”scant”とパンツ”panties”の複合語である。ズボンはa pair of trousersだが、パンツは果してpantyの単数でOKなのか? 前のネタとからむところである。日本語ではパンツは多分、一枚であって一足ではない。このネタはもう少し書けそうだから、また別の機会に改めて述べることとする。

 俺時々僕ところにより私
俺時々僕ところにより私
http://muccitexi.com/1999/09/24/a-pair-of-zouries/
I, My, Me

—MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS———————————–
当時の本 『むいむい りえこさん虫日記』西原理恵子・西田孝治(小学館, 1000円)全巻からやる気のなさがあふれているがそれがいい味になってるのはサイバラの力か? 「むいむい」とは土佐弁でむしとゆう意味だそうだ。


当時の世 今週はあまり社会をフォローしていない。
当時の私 アルコールが頭に効く前におなかに効くのはいただけない。

 

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