Gender of connectors このコネクタ、オス?

こないだ、先輩のTさんが、Sさんに質問していた。「このコネクタ、オス?」

たまたま現場に居合わせたぼくは、Sさんの講義を聞く機会を得た。まったくもって素人としては、凸な方がオス、凹の方がメスだと分かりやすいが、形状だけボーっと見ていたら、どっちがどっちだかよく分からん。

端子がボーっと立ってるのがオスで、バネ要素を持っていて締めてるのがメスなんだろうと勝手に理解した。

なぜ、コネクタにややこしいオスメスが合って、さらにそれを区別しないといけないのか。たしか、その時ぼくは、「社会が混乱するから」と思いつきのコメントをしたが、考えてみるとコネクタのオスメスはgenderであって、sexではない。英語で言う時にどのくらいの意味の違いがあるかは、不勉強につきよく知らないが、日本語でジェンダーというと社会的性別、セックスといえば生物的性別のことであると私は認識している。

ぼくのオアポケ3と、パソコンをシリアル接続する時は、間にジェンダーチェンジャーをかましている。社会的な区別なのだ。ある種の類人猿がやるような、オス-オスのフェンシングや、メス-メスのホカホカは、パソコンの接続には使えない。

それにしても、コネクタの区別はやはり素人目には分かりづらいと思う。まぁただの不慣れのせいだろう。まさかボーイッシュなメスコネクタや、フェミニンなオスコネクタがあるわけではあるまい。機械部品は人間以上に機能本位の構造をしているはずだから。

性別の見分けの困難な動物。パンダなんかは子供の時にかわいげな女の子名をつけたら、育っていくうちにオスだと分かったなんてことはよくあるらしい。これは人間にわかってないだけで、パンダ同士はわかってんだろうか。謎だ。

「ヒヨコの性別の識別もすごく難しいらしいっすよ。」なんていうネタを話して、その日に本屋で買った『Quark』という月刊科学雑誌に赤瀬川原平の「科学のヒミツ」隔月連載第9回「ヒヨコ鑑別の超人技」という記事を見つけて、話題の共時性にドキドキすると共にチャンネルを変えても同じCMをやってるのを見た時の小市民的うれしさに包まれて、その日の晩は喜んでその記事を見ていた。

全国鑑別師選手権で過去3回の優勝経験をもつ寺田昌弘さん(56歳)指で器用に肛門をめくりかえして、中にある粟粒ほどの生殖突起を見分けるのだそうだ。昔ならニワトリに育ってから「ああ、オスだったね」でも良かったけど、養鶏が産業になってからは、卵を生まないオスは「役立たず」なので、生まれてすぐに分別されて、オスは動物の餌用にされるそうだ。鳴呼…

寺田さんは1羽の鑑別に約1.8秒。大会では100羽を3分9秒で分けたそうだ。仕事の時は1時間で1000~1200羽を鑑別し、ミスは3羽まで、つまり、許容される判定ミスは0.3%までらしい。世に出回る工業製品の不良率がどれくらいかよく知らないが、手と目で人がやる仕事でこの精度。う~ん、スゴイですな。

 

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