Let’s wedding 結婚しようよ

電車の駅から見える広告に

Let’s wedding

というのがある。いわゆる式場や紹介所の宣伝である。普段のネタ供給元として、広告は重要視している上、平均2日に1回はお世話になっている書店さんが、私が本を買うたびにその袋に某ツヴァイの広告を入れてくださるので、この手のネタには少々穿った見方をする村上である。

それにしても、本屋さんのレジの人は、お客が主婦っぽい人だと、わざわざ抜いてるのに、なぜに、私には毎回入れるのか。それほど、私の顔は「結婚を待ちわびる独身男性」の相が出ているのだろうか。おそらく、それは誤解である。

もっとも、広告も大事なネタであるから、わざわざ入れて下さる分には、なんとか、そこに結婚相手を見つけたい人向けな広告のおかしさを見つけようと努力して読むのであるが、如何せん、私が本を買う周期はツヴァイの広告の改版周期よりも早いので、同じ広告ばかりとなり、私のくずかごの場所取りになるだけなのである。

横道がかなり長かったが、さて、くだんのLet’s weddingである。Japlish的な思考で考えると、おそらく「結婚しようよ」という意味なのだろうが、こないだ受けた英会話講習のネイティヴの先生の指摘があったように、Let’sのあとには動詞が来るのであるからして、この文はおそらく、JR東日本のキヨスクのLet’s Kioskと同種の過ちを犯しているのである。さて、少し譲って、Let’s get married.というような意味でいったとしよう。(もっとも、私自身、英語に関して説教するほど得意でないので、この文が英語的に意味をなすかは自信がない。でも、wedding=結婚式を使うより、get married=結婚するを使った方がまだましだと思っている。)それでも、なお、変なのである。let’sは、Let usの略であるから、例えば、Let’s go.の場合は、言ってる私も行くし、聞いてる貴方も行くのである。だから、見ず知らずの看板のあんたに「結婚しようよ」と言われても「はぁ~?」なのである。

広告につっこむのは、さておき、

先日、親愛なる先輩から、Wedding Invitationと書かれたカードが届いた。まさか、「今度、私、結婚式をするんですが、つきましては私の隣の席にあなたを招待したいのですが…」というダサダサプロポーズであるわけでなく。先輩と私がhomosexualな関係にあるわけでもなく、封筒にはちゃんとお相手のお名前も書かれているので、これはゲストとして招待されたと思って間違いあるまい。はたして、wedding invitationが英語として意味をなすかは謎であるし、会場の名前がHOTEL THE ELLCYという怪しいTHEが入ってるのもこの際良しである。(これでもちゃんと意味をなすのかもしれん。だとすると、単なる私の不勉強である。)

先輩からこの件の内示があったのは昨年の仕事納めのあとに「食事でもどうですか。」とお誘いいただいて、その帰りの車の中でありました。「3月22日に結婚式があるんですけど、予定はどうですか。」と先輩一流の半笑いを浮かべながらおっしゃいました。いま思えばあれは先輩の照れのあらわれだったのでしょうが、状況が飲み込めていない私は、「誰の? 」と心の中で一言呟いて、了解するまでに2、3秒かかりました。その時は、お相手のことは一言も口にされませんでしたが、ある消息筋から非公式情報として聞いてはいました。

おもむろに、返信用はがきを取り出したわたしは、お約束の「ご」の字を抹消し、「出席」に丸をつけようとしましたが、あいにく、手元にコンパスもテンプレートもなく、「まいったなぁ、これじゃ、○が書けないよ。1円玉じゃ大きいしなぁ。」と思って辺りを見回し、失礼かもしれませんが、机の横に転がっていた、こないだシャツからとれたボタンを使って○を書き、早速投函いたしました。返信の中で1番手だったそうです。

私が人に「めでたい」と言う時は「めでたいやっちゃなぁ」という揶揄や皮肉が入っていることが多いので、まぁあと2か月くらいで気分を作って、お二人を祝福できるような体勢を整えようかと思う今日この頃です。

—MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS—————————————
当時の本 『脳型コンピュータとチンパンジー学』松本元・松沢哲郎(ジャストシステム, 1500円)


当時の世 重油は水に浮くけど重い
当時の私 世を憂えて酒を飲んでいる。

 

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