A falling ball -SUNny phase- お年玉 陽の巻

年末年始、町を歩きながら思ったんですよ。

「なんで、門松は門松なのに竹があんなにえらそうなんだろう。」

何故じゃ何故じゃと思いながら歩いていると、松の枝だけでできた清楚な松飾りを見つけました。理由は見つからなかったけど何だかすっきりしました。

さて、路上観察をする人にお勧めな本が

『トマソン大図鑑 無の巻・空の巻』赤瀬川原平/編(ちくま文庫)

路上観察学のバイブル的存在としては、

『路上観察學入門』赤瀬川原平・藤森照信・南伸坊/編(ちくま文庫)

がありますが、今回の『トマソン大図鑑』二巻には路上観察学会発足の頃から、1996年春に至るまでに発見されたトマソンが解説つきで載っています。

お蔭様で私も昨年、 「高所」や「ウヤマ」のカテゴリーに入るであろう物件を発見しました。トマソンとは何か? 非常に説明しづらいので興味のある方は本屋で立ち読みしてください。その何とも言えぬヘンテコリンさに魅力を感じるならば、もう仲間入り。文庫のくせに各1300円もしますけど、買ってみるのもまた一興。

お正月の路上は静かである。

お正月の商店街は暗黙の談合により、一様にシャッターを閉めている。

かく言う私の実家も商いをしていたりするので、

 俺時々僕ところにより私
俺時々僕ところにより私
http://muccitexi.com/1997/06/16/a-milk-shop/
I, My, Me

うかつに正月から開けていると「宅急便おねがいできる? 」というおばちゃんの襲撃を受ける。今年のクロネコヤマトは元旦から走っているのである。元旦から走るクロネコは鯛のおかしら付きの骨を手に入れるのかもしれない。

「宅急便」というのは、ソニーの「ウォークマン」と同じく、ほとんど普通名詞と化しているが、ヤマト運輸の商標である。

そんなに荷物を出したいのなら、コンビニにでも行けばいい。コンビニは開いている。日本中のコンビニが閉まったら、全国の独身男性は滅びると言われている。が本当かどうか定かではない。コンビニのようでコンビニでなく、スーパーのよでスーパーでないお店に、ミニスーパーというのがあるがこの名前もなかなか謎めいている。小さいのにスーパーなのである。果して何を越えたのか。

スーパーなミニをはいた女の子がかがんだ拍子にパンツが見えた。地平線から顔のぞかせる初日の出は拝めなかったけれど、短い裾からのぞく白いパンツが見えた。たぶんあれは世に言う「見せてもいい用パンツ」に違いないが、どうして、こんなことでドキドキするんだろう。不思議だ。

「あのね、ぼくの顔が火照ってるのは、風が冷たいからだからね。」

と誰に言うでもなく心の中で言い訳をつぶやきながら、早足で現場を立ち去った。

タイトルのA falling ballは

「落とした玉、おとした玉、おとし玉、お年玉、万歳!万歳!」

こんなことだから、正月には坊さんの二人組に出会えないか期待する。

センスが小学校低学年以下のなぞなぞと同じである。

いや、この頃のお子様はもっと知的でいらっしゃるかもしれん。失礼。

—MURAKAMI-TAKESHI-IN-THOSE-DAYS—————————————
当時の本 『瀕死のエッセイスト』しりあがり寿(角川書店, 1500円) 死ヲ歌エ


当時の世 頼まなくても初日の出はのぼる。
当時の私 年末は実家の店番、配達を久々に手伝い。年始は宛名書きソフトのオペレーターもこなすビア樽であった。

陰の巻はこちら

 俺時々僕ところにより私
俺時々僕ところにより私
http://muccitexi.com/1997/01/07/another-falling-ball-lunatic-phase/
I, My, Me

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です